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2020 年度 実施状況報告書

産後の不安尺度の開発と関連要因の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K19658
研究機関順天堂大学

研究代表者

永田 智子  順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (80758631)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード産後の不安 / 周産期メンタルヘルス / 尺度開発 / ウィメンズヘルス
研究実績の概要

本研究の目的は、不安症の診断基準は満たさないが、生活に支障や苦痛が生じている産後の不安を持つ母親を支援するために、産後に特化した不安尺度を開発し、産後の不安に影響を及ぼす要因を明らかにすることである。我が国において、産後うつ病の予防対策は重点的に行われており、信頼性妥当性が確立されたスクリーニングツールであるエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)が存在する一方で、産後の不安に特化した信頼性や妥当性が確立された尺度は希少である。
研究初年度の2019年度は、国内外の周産期の不安に関する文献を収集し、既存の産後の不安尺度の開発方法と尺度の特徴について文献検討を行った。その結果、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)の診断基準に該当する不安を測定する尺度は報告されているが、育児や日常生活への支障に着目して開発された尺度は少ない状況であった。さらに、国内で開発された育児不安尺度は、1980年代から1990年代に開発された尺度が多く、就業女性の増加や出産年齢の上昇などの現代の子育て環境の特徴が反映されていない可能性が示唆された。
今年度は、本研究の前段階で作成した、産後の不安尺度【第一報】を研究成果として論文発表した。そこで、本研究における産後の不安尺度の開発において、1)調査対象者の産後の時期および居住地の偏り、2)尺度の妥当性検証のための外的基準の見直し、3)産後の不安の関連要因の検討不足の3点の課題が明らかになった。その課題をふまえ、尺度の項目を作成および収集し、アイテムプールを整理している段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の前段階に作成した、産後の不安尺度【第1報】の考察を深め、論文発表を行い、本研究で行う尺度開発の課題を明らかにすることを優先した。そのため、本研究の進捗が遅れる結果となったが、研究方法の修正を行うなど、より精度の高い尺度を作成するための検討を行うことができた。

今後の研究の推進方策

次年度は、はじめに、不安症の知識を深め、研究計画への助言を得るため、周産期メンタルヘルスの知識が豊富な精神科医師からスーパーバイズを得る。そして、データ収集方法を、当初の質問紙調査からインターネット調査会社を通じたWEB調査に変更し、全国から均等に対象者を抽出できるようにする。また、新型コロナウイルス感染症予防対策のため、個人情報保護などデータの取り扱いに十分留意し、オンランを積極的に活用して、研究を進めることとする。

次年度使用額が生じた理由

参加予定であった学術集会がWEB開催となったため、交通費・旅費の支出がなくなったことや、研究進捗状況がやや遅れているため、データ収集に必要な費用が未使用であるため、次年度使用額が生じている。
次年度の使用については、データ収集方法が、WEB調査に変更予定であるため、インターネット調査会社への業務委託費用として(WEB調査費用)使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 産後6か月までの女性が抱く不安尺度の開発第1報-生活への支障や苦痛に焦点を当てて-2020

    • 著者名/発表者名
      永田智子
    • 雑誌名

      日本母性看護学会誌

      巻: 21 ページ: 10-18

    • DOI

      10.32305/jjsmn.21.1_10

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Development of anxiety scale for postpartum Japanese women and study on associated factors2020

    • 著者名/発表者名
      永田智子
    • 学会等名
      International Marce Society for Perinatal Mental Health Biennial Scientific Meeting 2020

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公開日: 2021-12-27  

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