研究課題/領域番号 |
19K19669
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (20710065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害児の育児 / 父親 / 育児支援 / 自己認識 / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
昨年、インタビュー調査の実施方針の再検討を行いzoomを活用したオンラインインタビューに変更しデータ収集の再実施に取り組んだ。実施に際して、機材の貸し出しやプリペイドSIMカードを使用したネットワーク環境の整備、zoomの利用方法マニュアルの作成などを行い、インタビュー調査が実施できるよう事前準備を行った。このような、修正案を基に調査の再依頼と依頼先の範囲を拡大し隣県にも依頼を行った。 しかし、Covid-19の感染拡大と感染の波の影響で、施設スタッフについては、7件調査協力への了承をいただいたにもかかわらず全てキャンセルとなった。対象者となる発達障害児の父親については、4件調査協力をいただいたが、全てキャンセルとなった。理由の分析を行った結果、承諾が得られた時期は感染状況が落ち着いており、心にも時間にも余裕があるため調査協力には前向きだったが、感染状況が悪化すると施設スタッフについては、平常時よりも施設利用者の対応に手がかかるとの理由で、また、父親たちも職場の勤務形態の変化等による業務優先で時間が取れない、気持ちに余裕がなくなるため調査を受けられないという理由であった。 インタビューでのデータ収集は、困難と判断し仮説を再検討した。仮説として、家族機能が十分に働いている家族は、困難さを抱きやすいといわれる発達障害児の育児も担えると設定した。仮説に基づき、母親含めた家族機能や子供へのポジティブな影響等にも視野を広げ、論文や先行研究から関連性や影響、成果などを収集した。家族機能が十分に機能している父親の特徴を見出すことで父親の特性をチェックする項目を作成することとした。加えて、子供への影響の根拠を強めるため、別のアプローチで療育センタースタッフに加え療育コーディネーターに情報収集を依頼し、父親が家族と共に育児を担う上で必要なスキルを項目化させる計画に変更した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
covid-19の影響により、調査協力機関や対象者から調査中止の返答を受けたため、調査データが収集できない状況にある。 昨年度、インタビュー調査が実施できる環境が整っていないという、実質的な困難さがあったことが原因と捉え、今年度実施方法の修正・再検討を行った。しかし、同様の結果となってしまった。今年度は、感染状況によって対象者の時間的余裕・気持ち的余裕がなくなることによって調査を受けられないということが判明した。 今回の結果を受け、実質的なデータをインタビューで得ることに困難さが生じるため、研究目的を達成させるためのアプローチを再検討することとした。
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今後の研究の推進方策 |
インタビューでのデータ収集は、困難と判断し仮説の再検討を行った。仮説として、家族機能が十分に働いている家族は、困難さを抱きやすい発達障害児の育児も担えると設定した。仮説に基づき、父親だけの特性に着目するのではなく、母親含めた家族機能や子供へのポジティブな影響等にも視野を広げ、論文や先行研究から関連性や影響、成果などを収集することとした。しかし、夫婦間の影響について論じられている物は多くあるが、子供への影響を具体的に示す、または評価されている物が少ないため根拠を強めるために、他者評価としてすでにデータが得られている物も含め、療育施設で療育を担っている専門家や、療育相談コーディネーターから情報収集を行い、その内容から自己認識項目の抽出を行うこととした。次年度は、自己認識チェックリストの作成の完成と、それを用いた効果判定を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた見積額よりも安価に購入することができた物品等があったため次年度使用額が生じてしまった。翌年分に加え、次年度には生じないよう的確にかつ計画的に使用したいと思う。
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