全国4地区で実施しているコホート研究の参加者である産後の女性を対象とし、オンラインインタビュー調査を2021年7月から開始した。2021年度は37名、2022年度25名の計62名にインタビュー調査を実施し、2023年度は海外に在住している日本人の産後女性8名にインタビュー調査を実施した。日本在住の日本人女性を対象とした2021年度と2022年度のデータは、出産歴や非妊時BMI、ボディイメージなどの心理社会的特徴の視点から食生活や身体活動に関わる生活行動を明らかにするための分析を行い、6編の論文を執筆した。このうち2編「Psychosocial experiences related to dietary behavior of Japanese lactating women: a qualitative study」「Experiences of physical activity and dietary behaviors of Japanese women in urban areas who found pregnant during the COVID-19 pandemic」は英文誌に掲載され、1編「初産婦のCOVID-19パンデミック下における妊娠中の外出行動の調整:質的記述的研究」は和文誌に掲載されている。現在はさらに、英文誌に1編、和文誌に1編を投稿中、1編を投稿を準備中である。学会発表は、国際学会で5件、国内学会で1件を行った。これらの研究結果は、妊娠中や産後の生活習慣の調整に関する行動やその背景にある思いについての理解を深め、保健指導の際に考慮すべき視点を提案するものである。今後は、2023年度にインタビュー調査をした海外在住の日本人女性のデータを日本在住の日本人女性のデータと比較し、環境や社会的背景が異なる対象における生活行動への思いや行動について様々な視点から分析を進める予定である。
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