研究課題/領域番号 |
19K19673
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
増本 年男 鳥取大学, 医学部, 助教 (40715083)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 逆境的児童期体験 / oxytocin / JECS / 子育て / Mother-Infant bonding |
研究実績の概要 |
本研究では、母親の受けた幼少期ストレスが妊娠期・産後のオキシトシン分泌と養育行動に対してどういった影響を与えるかについての評価を行っている。環境省エコチル調査での残余血液および追加の質問票データを用いて鳥取地区の独自の調査として実施した。 本年度の進捗状況は、母親に対し幼少期ストレスに関する追加アンケート調査を実施することに関する倫理審査を終了し、参加者全員にアンケート配布を行った。現在、アンケート結果を回収しているところであるが、既に半数の母親からアンケートの回答が得られており、順次入力を進めているところである。さらに、母親の幼少期ストレスと妊娠期・産後のオキシトシン分泌や養育行動との関連を解明するために、エコチル調査で得ている追跡調査アンケートの内容から、交絡因子になりうる項目(母親の社会的背景や及び母親の育児でのストレス、不安感、気分の落ち込みと言った情動変化およびうつ病や不安障がいなどの精神疾患既往歴など)を精査している。また、妊娠期・産後のオキシトシン分泌が母親の養育行動および子どもの発達に影響が見られることが明らかになった。こちらの点も、今後幼少期ストレスや養育行動が関連していないかを調べていく予定である。 その他の研究実績としては、鳥取県公衆衛生学会および日本衛生学会総会でオキシトシンと養育行動に関する発表を行った。次年度はこれらの結果をまとめ、論文にすることを目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究に関わる倫理審査を終了し、参加者に対しアンケートの配布を行った。現在アンケートの返送を待っている段階であるが、既に約半数の参加者からアンケートを回収することができている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の予定としては、アンケートを入力し、参加者に対し謝礼を発送する。アンケートのデータを解析し、ケースとコントロールに分けて、オキシトシン測定を行うサンプルを決定する予定である。 また、その解析に先立てて、既にオキシトシン測定済みのサンプルにて、幼少期ストレスとオキシトシンに関連があるかどうかを調べる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本来の予定では残りの金額で、日本衛生学会に行くための旅費と参加者へのアンケート回答に対する謝金で使う予定であった。しかしながら、未だ参加者へのアンケート回答が完全には返ってきておらず、謝金(1000円分のクオカード)を購入することができなかった。また、旅費に関しては新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響のため学会が誌上開催へと変更された。そのため、旅費として使用する事ができなかった。以上の理由により次年度使用額が生じた。 次年度使用額は本来の計画に従い、謝金の購入および発送に用いる予定である。
|