研究課題
若手研究
被虐待児が親世代になるとその子どもに対して虐待を行う傾向があると言われているため、虐待のメカニズムを理解し、予防することは重要な課題である。そこで、本研究では虐待の連鎖のメカニズムを明らかにするために、オキシトシンに着目し、母親の幼少期ストレスが妊娠期の血中オキシトシン濃度にどのように影響を与え、母子関係形成や養育行動にどう影響するのかを明らかにする。その結果、母親の幼少期の逆境的体験とオキシトシン濃度の間で相関は見られなかった。
公衆衛生学
本研究では、幼少期ストレスが妊娠期の血中オキシトシン濃度にどのように影響を与え、母子関係形成や養育行動にどう影響するのかを明らかにすることを目的とした。その結果、幼少期ストレスがオキシトシンに影響を与えないこと、幼少期ストレスと養育行動に関連は見られなかった。このことは、本研究では虐待の連鎖が見られなかったことを意味するかもしれない。これらの結果より、虐待行為は連鎖があると言われるものの、虐待行為の予防のためには母親の過去の経験よりも他のリスクファクターを調べることが重要であると考えられる。