研究課題/領域番号 |
19K19674
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大島 麻美 鳥取大学, 医学部, 助教 (90758161)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | セクシュアリティ / 性教育 / 障がい者 / 障がい児 / ライフステージ |
研究実績の概要 |
本研究は、障がいの種類、程度、精神発達の違いなど、多様な特性を持つ障がい児・者のライフステージごとに必要なセクシュアリティ教育の内容とセクシュアリティ教育の実際、実践する上での課題を明らかにし、その課題解決策を提案することを目的とする。 2020年度は、2019年度に引き続き再度文献検討を行った。知的障害や発達障害を伴わない聴覚障害者、視覚障害者に関するセクシュアリティに関する教育についての文献がわずかであり、セクシュアリティ教育に関する現状(実施頻度、実施内容、使用教材等)、セクシュアリティ教育の必要性の有無、セクシュアリティ教育を行う上での課題が明らかになっていないことがわかった。 また、発達障害や知的障害をもつ児童・生徒へのセクシュアリティ教育に関する文献からは、セクシュアリティ教育の必要性はあるにも関わらず、障害特性の個別性が高いことによる課題(例えば、教授内容が定まっていない、理解度が様々、使用教材が少ない等)も多く、20年以上前から現在に至るまで同様の課題が多くみられており、課題解決には至っていない現状が明らかとなった。 そこから、障がいをもつ当事者へのインタビューについては障がい特性、対象者の理解度に応じたより具体的な半構成的なインタビューガイドを作成した。また、各ライフステージ(幼児、小学校、中学校、高校)における教育者・養護教諭、各年代の障がい児を持つ保護者、教育以外での医療、福祉に関連した支援者へのインタビューガイドについても文献検討をもとにインタビューガイドを作成した。 しかし、知的障害をもつ障がい者自身へのインタビューガイド作成、同意取得方法については検討が必要であること、コロナ禍での感染対策を講じてのインタビュー実施方法の検討が必要であり、インタビュー実施までには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度末からの新型コロナウイルス感染症流行により、大学外での研究遂行が困難な時期が多くあり、感染対策を考えたうえでのインタビュー方法、実施場所の再検討が必要となった。対象者の在籍する施設の特性上、部外者の立ち入りが困難なこともあるため、インタビュー実施が難しくなったため、当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを取り戻すため、今後、感染対策を実施したうえでのインタビュー調査を開始する。インタビュー調査については、現在の状況から感染予防対策の必要があるため、必要時一部アンケート調査も併用して調査を行っていく予定である。インタビュー調査の結果から、各ライフステージにおける必要なセクシュアリティ教育の内容とセクシュアリティ教育の実際、実践する上での課題を明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行の遅れにより、インタビュー調査が実施されておらず、インタビュー調査にかかる研究協力者への謝礼、インタビュー調査の音声データの文字起こし等が必要でなかったため、次年度以降に使用する予定となった。また、学会参加旅費が発生していない。 次年度、インタビュー調査にかかる研究協力者への謝礼、インタビュー音声データの文字起こし費用、インタビュー結果の分析を行う際の分析ソフトの購入を繰り越して使用予定である。 また、視覚障がい者への同意取得、インタビュー実施時の資料を拡大して読んでいただくために、iPadの使用が効果的であることが分かったため、購入をしたいと考えている。
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