研究課題/領域番号 |
19K19676
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
加藤 千穂 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (40789351)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クロノタイプ / 睡眠 / ウィメンズヘルス / 看護師 / 交代勤務 / 看護学生 |
研究実績の概要 |
2019年度,看護系大学に通う3年次生212名,4年次生216名を研究対象とした.本研究は,3年間の縦断的研究であり,2回目の調査では,1年目調査で協力が得られた2020年度看護系大学4年次生,入職1年目の看護師を対象とした. 2020年度調査回答時に大学院等に進学した者, 休職中の者は除外した.質問票調査には,対象の特性,ピッツバーグ睡眠質問表日本語版(PSQI),日本語版不眠重症度質問表,健康関連QOLを調査するSF-8を含み,Webアンケートフォーム(Google Form)を用いて実施した. 3年次生から4年次生の変化は52名,4年次生から看護師1年目の変化は55名を分析対象とした.学生の生活習慣では,朝食欠食が24.3%,夕食欠食は1.3%で欠食は先行研究より少なかった.夕食後夜食を食べる学生は42.8%と多く,飲酒習慣があると答えたのは82.2%,運動習慣がないと答えたのは71.1%と多数であった.また,90%以上の学生が就床後携帯等を使用していた.睡眠時間は平均6.3時間で,poor sleeper (PSQI≧6)は48.0%を占めた.健康関連QOLの身体的サマリースコアは20歳代の標準値を上回ったが,精神的サマリースコアは標準値を下回った. 就職により,就床時刻(p<0.001)と起床時刻(p<0.001)が早まるという位相の変化が生じた.さらに睡眠時間は短縮し,平日の睡眠時間は平均6.4時間であり,休日の睡眠時間は平均3時間12分,平日より延長していた.不眠症状に関して,入眠困難感を訴える割合が2倍に増え40%となった(p=0.01).また,精神的健康は4年次生の頃より有意に低下していた(p<0.001).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の縦断研究の計画のうち,2年目までの調査・分析を終了をした.2021年度も引き続き3年目のデータ収集・分析を進め,論文作成と投稿を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は3年間の縦断研究であり,2021年度は3年目のデータ収集・分析を進める.また,3年間の研究成果について論文作成を進め,英文投稿を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はCovid-19感染拡大の影響により国際学会への参加が不可能であったこと,国内学会がオンライン開催であったことから旅費が発生しなかった.また,研究者が直接データ収集に出向くことが困難な状況であり,データ収集の一部を研究協力者に依頼したこと,データ分析についてスーパーバイズを受けたことに対しての謝金が発生した.2021年度は最終年度であり,引き続き3年目のデータ収集・分析を行う予定である.昨年度と同様に,データ収集の一部を研究協力者に依頼し,データ分析についてスーパーバイスを受けるための謝金が必要となる.また,最終年度であるため,縦断研究の成果について英文投稿をする予定であり,そのための英訳・校閲の費用を計画している.
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