研究課題/領域番号 |
19K19683
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
杉浦 和子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (30584990)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 就労女性 / 月経 / セルフケア / 女性ホルモン剤 / 月経時の対処方法 / 産婦人科受診の認識 |
研究実績の概要 |
2020年度は、一次および二次調査のデータクリーニング、分析を行うことを主軸とした。本研究は、2019年度までに女性のQOL向上、生殖問題の減少、女性労働力の維持・向上を目指し、倫理審査を申請後、一次調査ではアンケート調査対象者の所属長に調査協力依頼を、二次調査では調査協力施設における女性職員にアンケート調査を行っている。 一次調査は、調査協力の有無について420施設を対象とし、132施設より回答が得られた(回収率31.4%)。二次調査は、対象者数は1390人で586人より回答が得られた(回収率42.2%)。二次調査では、対象女性に対し、属性、月経歴と現状、月経時の対処方法、月経困難と女性ホルモン剤使用に関する内容、月経時の鎮痛薬の認識、妊孕性に関する内容、月経に関する産婦人科受診などから対象のアウトカムの把握を目指した。アウトカムの概要としては、次のようなデ結果を示し、調査協力施設の希望施設に送付した。 初経においては、「小学5~6年生」で4~5割が初潮をむかえ、「中学1年生」約2~3割、「中学2年生」約1~2割、「中学3年生」1割程度であった。過去3カ月の月経周期では、月経周期が安定する20および30代は、約8割が正常周期に該当、月経周期異常に相当する24日以内、39日以上は約1割が存在していた。月経時の鎮痛剤使用については、20代では56.8%、30代では47.1%と半数以上のものが使用していた。月経に関連した認識においては、月経前症候群では、全体で「知らない群」53.6%「知っている群」46.4%、月経困難症では、全体で「知らない群」73.1%「知っている群」26.9%、子宮内膜症では、全体で「知らない群」40.4%「知っている群」59.6%であった。 今後は、女性のQOL向上、生殖問題の減少、女性労働力の維持・向上を目指した示唆を得られるよう項目間の変数や関連などの分析を進めていく
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究計画において、初年度の情報収集を行い、新たな調査項目の精選行い、研究協力者のスーパーバイズを受けることが出来た。2019年度は、それに伴い、アンケー調査を行うことが出来た。2020年度は新型コロナウイルス感染拡大により、日常業務量が増加したことにより、より詳細な分析・学会発表までに至ることはできていない。しかしながら、その中でも調査結果の概要報告書の作成、送付までには至っていることから、研究計画に沿った実績をあげられ、遅れている部分は一部であることから「おおむね順調に進展している」という判断を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に進めた調査の詳細分析とプログラム開発が主要となる。研究対象者の概要を踏まえ、より詳細な分析を進めアウトカムを把握するという主軸をもつ。適切な分析、プログラム開発に向けたプロトコルを進められるよう、研究協力者のスーパーバイズを仰ぎ、研究計画に沿った成果を上げる。このほか、今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、分析対象施設への影響がある可能性があるため、それらの視点も踏まえ、今後の課題・方向性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
詳細結果の分析、スーパーバイズ、学会発表、論文投稿を目的とし、分析に関連する機器類の購入、文献などの購入、論文投稿に関わる費用、学会参加、交通費、研究協力者との会議については、交通費とともに昨今の新型コロナウィルス感染拡大に伴う遠隔会議に必要な環境の整備に使用予定である。
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