研究課題/領域番号 |
19K19686
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
青柳 優子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (40289872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 不妊治療後妊産婦 / 倫理的感受性 / 助産師 |
研究実績の概要 |
本研究は、臨床助産師の倫理的感受性を高めることにより不妊治療後の妊産婦への助産ケア向上を目指す教育プログラム開発を目的としている。2019年より情報収集を継続して行っており、成果の公表に向け論文執筆中である。2020年度は、オンラインの学術集会や研修会に参加して生殖や倫理に関連した知見を得た。特に教育プログラムとの関連のあるもの2つを以下にまとめる。 1.埼玉県助産師会主催の助産師を対象とした研修「周産期の倫理的課題の現状から考える」に参加した。プログラムは周産期の臨床で遭遇する倫理的課題への取り組みについての講演とグループワーク、解説と質疑応答であった。講師は周産期の倫理的問題に詳しい精神科医であった。グループワークでは、出生前診断や早産児の生命の取り扱いに関する事例の倫理的問題とその時の対応について、臨床助産師と共に話し合った。現場の状況において倫理的問題をどのように考えて対応するかという、実践的な内容であった。研究との関連として助産師を対象としていること、周産期の倫理的問題を取り扱う際の倫理的感受性を刺激する教育内容である点に共通性があった。研修の実際を体験することで、倫理的問題への取り組み方への理解を深め、プログラム開発に示唆を得た。また、臨床助産師の意欲的に取り組む様子を知ることができた点でも有意義であった。 2.日本生殖看護学会教育推進委員会主催の「2020年度生殖看護教育研修会・不妊症看護認定看護師ポストコース」に参加した。本研修会のテーマは「治療への選択肢を支える生殖看護の力」であり内容として、生殖医療における遺伝検査の最新知見、生殖看護を受ける患者の意識変化などが含まれた。不妊治療後の妊産婦を理解する上で、新たな知識を得たことは大変有用であり、治療の選択や遺伝検査など、生殖看護は倫理的問題とは切り離せないものであることを改めて認識できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症蔓延の影響が大きく、授業や実習方法変更に対応するため教育活動に多大な時間を要したことが最も大きな理由である。その他、社会貢献活動も急遽オンラインに変更するなど、新たな取り組みによる業務が増加したことによる研究時間の確保が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はオンラインを活用して、関連する研究課題の研究者との連携をとりプログラム開発に取り組む。プログラム内容を練るために、不妊治療部門と周産期の看護者との交流会を企画する予定である。また、これまでの研究成果の公表に向け論文執筆および学会発表の準備を計画的に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗が遅れ予定していた研究活動費が必要とならなかった。次年度はこれまでの成果の公表を行うこと、教育プログラム開発に向けて関連研究者や臨床実践者との意見交換を積極的に行う計画とする。
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