研究課題/領域番号 |
19K19688
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
小泉 麗 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (50385564)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機能性便秘 / 子ども / 家族 |
研究実績の概要 |
2021年度は、幼児期に便秘を経験した子どもをもつ親を対象としたデータ収集を開始した。保育所に研究協力者募集のリーフレットの配布を依頼し、リーフレットを読み研究協力に興味を持った親から直接連絡を受けた。研究の目的、方法、倫理的配慮等を説明し、研究協力への同意が得られた母親2名を対象に、個別の半構成的インタビューを行った。インタビュー内容から逐語録を作成し、継続比較分析を行った。その結果、母親は、子どもの個別性に合わせて試行錯誤しながら便秘に対処する一方で、便秘はよくある症状であると捉えて受診や治療につながりにくい状況が見えてきた。今年度はコロナ感染拡大の影響で少数名のインタビューに留まっており、次年度以降、データ収集を継続する中で対処のプロセスの分析を進め、全体像を把握していく。 研究協力者の中には便秘の対処において絵本を活用している母親が複数存在したことから、便・排便に関する絵本の内容の分析も同時並行して実施した。ECサイト及び国際子ども図書館OPACで検索し、31社から1981年~2022年1月に出版された絵本42件を対象に内容分析した。その結果、幼児と親に対する排便に関する教育において絵本を多いに活用できる可能性が示唆された。また、今後データ収集を進めるにあたり、母親が便秘の対処の一つとして絵本を選択する理由や活用方法について着目することは、便秘の子どもと養育者への支援を検討する糸口につながる可能性があると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染拡大の影響によりインタビューによるデータ収集を控えており、データ収集の遅れが見られた。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集施設として保育所におけるリーフレット配布を計画していたが、コロナ感染拡大においては配布が難しい状況があった。2022年度は①保育所におけるリーフレット配布以外の方法も検討してインタビュー協力者を募集すること、②対面ではなくオンライン・電話によるインタビューを中心に考えてデータ収集を進めることで、コロナ禍の影響を最小限にできるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は参加した学会がオンライン開催となり、旅費が生じなかった。また、コロナ禍のため、データ収集が遅れており、データ収集・分析に伴う費用が計画よりも少なくなった。 2022年度の使用計画として、図書については、便秘症に関する図書、及び研究方法に関する図書が必要である。対象者への研究協力の説明やフィードバックにはタブレットを使用するため、タブレットが必要である。研究協力説明書の印刷は専門業者に依頼する。ICレコーダーは予備を含めて2台必要である。文具、事務用品、プリンター、プリンターインク・トナーは資料の作成・整理・保管のために必要である。研究協力施設及び研究対象者には、研究協力への謝礼を準備する。資料が増えることが予測され、必要時には学生アルバイトを依頼する。逐語録の作成は専門業者に依頼する。通信費については、研究協力施設や研究協力者との連絡のために必要であり、主に研究関連の文書の郵送費として使用する。
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