研究課題/領域番号 |
19K19693
|
研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
山本 洋美 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (50441572)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 構成要素 / インタビュー / 文献検討 |
研究実績の概要 |
令和2年度として、昨年度と引き続き長期不妊治療中カップルのパートナーシップを向上するための構成要素と概念の抽出を行った。構成要素としては、夫婦概念として①夫婦の満足度→愛情と信頼、収入②平等夫婦の構築→新たな役割の習得、恒常性と変遷による発達を追加することとした。また男性、女性のホルモンからくる心情についても文献研究を行い、プロラクチン、オキシトシン、テストステロン、エストロゲン等のホルモンからも夫婦またはカップルのパートナーシップを向上するための構成要素として入れることとした。よって、昨年度から構成要素として、今年度のものも追加しほぼ抽出できている。また、昨年度継続として、長期不妊治療中の葛藤とその実態、パートナシップの現状と問題についてインタビューを行った。そのインタビューで語られたものを整理している段階である。インタビューから抽出されたものも概念と照合し確認していく。また、専門家やエキスパートによる概念の項目、関係性を検討することが新型コロナ感染症により不可能であったため、今年度引き続き実施する。また、インタビューの際にPFC分析シートを使用するために、長期不妊治療中カップル用に改良を行った。PFC分析シートは状況を認知的技法を用いて分析するシートであり、状況や反応、どのように考えてしまったか、メリット、デメリットや対処方法を客観的に明確にするシートである。これが不妊治療中カップルにそのまま使えるか、PFC作成シートを開発者と直接検討し、プレテストを実施し、不妊治療中カップルに使用できるように改良をした。今後はこのPFCシートも活用しながらさらなる長期不妊治療中の葛藤と実態を明確にしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は構成要素と概念の抽出と支援評価尺度の開発を実施する予定であったが新型コロナ感染症により、大規模な質問紙調査ができなかった。さらに、現在は構成要素やインタビューをもとにパートナーシップを向上するための評価尺度の原案作成として、専門家によるフォーカスグループインタビューを実施し質問項目の中に入れていく予定であったが、フォーカスグループインタビューが行えず、質問項目が文献検討のみとなっている。また、アイテムプールを作成した後に専門家に項目の検討や妥当性を検討する予定であったがそちらも進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度としては、長期不妊治療中のカップルのインタビューを整理し、構成要素と照合すること、PFC分析シートを使用し、不妊治療中の葛藤とその実態を分析する。それらを踏まえて、概念の抽出とアイテムプールを作成する。 また、専門家のフォーカスグループインタビューを行い、専門家からの構成概念の検討とアイテムプールの検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症により、少人数のインタビューしか実施できず、フォーカスグループインタビューや大規模調査ができなかったため、その調査の経費が含まれていないためである。次年度は、フォーカスグループインタビューの録画や分析をするためのパソコン購入や謝礼、分析や論文投稿のための経費として使用する。
|