研究課題/領域番号 |
19K19700
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
霜越 多麻美 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特任研究員 (80723650)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保健師 / 住民参加 / 健康づくり / 地域組織 / 組織学習 |
研究実績の概要 |
住民と保健師の協働による地域組織活動における組織学習の実践に関する調査(質問紙)を行うため,その準備として,関連する文献の選定と精読,質問紙内容の構成に関する情報収集と文献の精読,調査対象のサンプリングに関する情報収集とサンプリングの実施,郵送調査に関する情報収集と手続き等を行った。これらの準備をしたうえで,郵送による質問紙調査を行った。 関連する文献は組織学習に関する文献の引用文献をから選定し,博士研究で作成した活動モデルのほか,リーダーシップ論,メンタルモデル,集団凝集性,組織コミットメントに関する文献を参考にした。これは,組織学習の実践状況を判断する尺度がなく,博士研究で開発したモデルでは抽象度が高く,組織学習の実践の詳細を反映しきれていないと判断し,関連領域の文献を参考に,組織学習の実践を判断する項目を作成した。 質問紙の内容は,地域組織の概要(設立年,参加者数,活動内容,活動上の課題など),保健師の関わりの状況,組織学習の実践状況,回答者の概要,で構成した。 調査対象は全国の市町村保健師の地域組織担当者とし,対象数を300とした。層別サンプリングを行うため,総務省のホームページから市区町村リストを入手し,市区町村数から各都道府県のサンプリング数を算出し,都道府県ごとに市区町村をランダムに並べリスト化した。自治体リストの上から順に,自治体ホームページ上で地域組織の有無を確認し,振り分けられた自治体数になるまで繰り返し,調査対象を決定した。 調査対象となった300自治体に,所属長への調査の依頼書,調査対象者への説明書を併記した質問紙,返信用封筒を同封し,郵送した。調査期間は2020年1~2月であった。93の自治体から返送があった。データクリーニングの結果,89自治体を分析対象とした(有効回答率30.0%)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に質問紙調査を行う計画が予定通り行われた。研究代表者の異動もあり,予定以上の進展はなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が深刻化し,全国自治体の保健師の対応とそれによる疲弊が顕在化し始めている。次年度は保健師へのガイドブックの内的妥当性に関する調査を計画しているが,新型コロナウィルスの感染状況の延伸により,調査は難しい可能性が考えられる。この場合,調査方法の変更,実施年度の変更,などを検討中である。 また,新型コロナウィルス感染症によって地域組織活動に何かの変化,あるいは地域組織を通じた感染症に対応した活動事例が生じることも予測し,研究計画に柔軟に追加することを検討中である。
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