研究課題
本研究は、認知・運動機能が低下した高齢者における下痢を予測する方法を確立することを目的として、取り組んでいる。これまで従来の方法では、排便障害を可視化する客観的な方法がなかった。そこで本研究では、超音波画像診断装置を使用することによって、消化管を可視化し、排便の貯留状態を評価した。従来、認知・運動機能が低下した高齢者では主観的な情報が得られず、下痢による便失禁を予測することは困難であった。そこで本研究では、エコーを使用することで消化管を可視化することで下痢を予測し、新たなアセスメント方法の確立を目指した。我々の研究グループでは、経口摂取している高齢者の便秘をエコーによって客観的に評価しており、便秘患者における大腸の糞便分布パターンを分類した。しかし、先行研究では便秘患者のみを評価しており、経腸栄養している認知運動機能が低下した高齢者における下痢の検証が十分に行われていない。また、これまで消化管における腸炎の診断にはエコーが用いられてきた。感染性腸炎や虚血性大腸炎では、特有のエコー所見が認められており、エコーを用いることで疾患を診断することが可能である。このように特定の疾患に関しては、エコーの有効性が示されている一方で、高齢者の下痢に関しては一切検証されていない。我が国では、平成28年度診療報酬改定では「排尿自立指導料」が新設され、エコーを用いた「残尿測定」と「排尿日誌」が要件として含まれている。すでにエコーは一般の看護師が習得すべき、新しいアセスメント方法となった。以上のことから、今後も看護師がエコーを使って下痢を予測することが可能であるか検証を進めていく。高齢者の個別性に応じた食事内容の変更や排泄用品(失禁パンツやオムツ、パッド等)の選択、薬剤投与の実施により、患者の日常生活がより安全で安楽になることが推察される。
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