研究課題/領域番号 |
19K19711
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
横川 亜希子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (30708772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 便秘 / ポケットエコー / 認知症高齢者 |
研究実績の概要 |
今年度は,直腸の超音波画像から便の性状と量の推定を行うことを目的にデータ収集を実施した.データ収集は,A病院に入院する患者のうち,「排便ケアを行っている」もしくは「数日間排便がない」患者を対象に行った.承諾が得られた対象者の腹部にポケットエコーをあて,直腸を撮影した.加えて,撮影後に実施した排泄ケアの有無とその方法,排泄された便の性状と量について記録した.収集した超音波画像に関しては,内容物と腸管との境界(以下,境界エコー)の輝度を「非常に高い」「高い」「不明瞭」の3段階,境界エコーの長さ(便の長さ)を「5cm以上」「5cm以下」の2段階で評価した.排出された便の性状はブリストル排便スケールの7段階,便の量は「手掌大(多量)」「拇指頭大(少量)」「その間(中等量)」の3段階で記録した.データ収集は17名を対象に実施し,データ数は52件であった.このうち分析対象としたデータは,データ収集日に「排便があった」または「排便ケアを行った」もののうち,画像評価が可能な11件とした.この11件と研究者が先行研究で収集したデータ10件を合わせた21件を分析した.境界エコーの輝度から便の性状を予測する感度・特異度,境界エコーの長さから便の量を予測する感度・特異度を算出した結果,各々良好な予測精度を確保できる可能性を示した.また,直腸内にガスがある場合は,線状エコーが確認でき,ガスの有無の判別が可能であることが示唆された.しかし,今年度収集したデータのうち分析可能なデータが少数であり,データ収集を継続する必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度はデータを収集と分析を行う計画を立案していたが,当初の予想よりも分析可能なデータが不足しており,追加のデータ収集が必要となったため(3)とした。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に収集したデータのうち分析対象となるデータが少数であったため,データ収集期間を延長する.収集したデータに加えて,便秘ケアの決定に向けたアセスメントに関する文献検討の結果をもとに、ポケットエコーを用いた認知症患者に対する便秘ケアアルゴリズム案を作成する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入予定であったエコーが交付された研究費では購入できず,購入する機器を変更したため,予定よりも購入費用がかからなかった.データ収集期間を延長することとしたため,データ収集のための費用(旅費・専門家への謝金)とする。
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