研究課題/領域番号 |
19K19719
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
金盛 琢也 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (80745068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | テレナーシング |
研究実績の概要 |
本研究課題は、3年間の研究期間において、訪問診療を受ける高齢者に対する遠隔モニタリングに基づくテレナーシングシステムを開発し、在宅療養継続への有効性を評価するものである。2019年度は研究初年度として、モニタリング項目の選定とテレナーシングアプリケーションの開発を行った。 モニタリング項目の選定では、訪問診療を受ける高齢者のカルテレビューと、家族介護者へのインタビュー調査を実施し、訪問診療患者の健康状態や家族介護者のQOL、家族・本人がモニタリングに期待する内容から、必要なモニタリング項目や、モニタリングにかけられる時間、負担等について明らかにした。調査の結果、訪問診療患者の多くが認知症やADL障害を抱え、誤嚥性肺炎や尿路感染症などの発症リスクが高いこと、またその家族介護者は、介護負担感や抑うつ、相談相手の不足などにより、心理的・社会的QOLが低いことが示された。以上から、訪問診療を受ける高齢者のモニタリング項目では、バイタルサイン値や症状等の経日的な変化を観察し評価することとし、また家族介護者の負担感や不安の軽減のために、モニタリング項目数を個々の高齢者の状況に合わせて極力少なくすることや、双方向的コミュニケーション機能が必要であると判断した。また、モニタリング項目の選定結果をもとに、テレナーシングシステム(訪問診療患者宅で使用するタブレット型端末用アプリケーションと、遠隔地にいる看護師が使用するウェブ版電子カルテ)の開発を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度の目標であったテレナーシングシステムの開発は完了していないが、モニタリング項目の選定等に必要な調査を予定通り実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
訪問診療患者への試用を通して、テレナーシングシステム開発を完了させるとともに、在宅療養継続への有効性を図るための試験を計画・実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
テレナーシングシステム開発が完了しなかったため、その使用額が残額となった。
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