研究課題
本研究課題は3年間の研究期間において、訪問診療を受ける高齢者に対する遠隔モニタリングに基づくテレナーシングシステムを開発し、在宅療養継続への有効性を評価するものである。2020年度は前年度に引き続きテレナーシングアプリケーションの開発し、訪問診療患者への試用を行った。訪問診療患者への試用では、高齢者であっても問題なくタブレット端末を操作して、心身データを入力・送信できていた。また訪問診療患者が入力・送信したデータを遠隔地にいる看護師が確認し、看護記録を入力することもできた。以上より開発したテレナーシングアプリケーションが問題なく稼働できる状況であることが確認できた。一方でCOVID-19流行により予定していた研究協力施設から調査延期の相談があり、対象者数は目標に至っていない。そのため次年度も引き続き対象者を募集していく必要がある。また、テレナーシングシステムの一部であるビデオ通話等による遠隔コミュニケーションにおいては、マスク等の着用のために対象者とスムーズに意思疎通することが難しく、対象者の症状や気分について正確に把握することができない場面もあった。マスク等の感染防具使用下におけるコミュニケーションの注意点を考慮した上で、遠隔コミュニケーションのツールや方法を検討する必要があることが示された。特に高齢で認知機能低下等を伴う場合に問題となりやすかったため、次年度はマスク等の感染防具使用下における高齢者、特に認知症高齢者とのコミュニケーション方法について明確化していく。
3: やや遅れている
COVID-19流行に伴い、調査協力施設及び協力患者が不足したため
テレナーシングの有効性の評価に向けて、COVID-19流行の状況を見ながら引き続き対象者数を増やしていく。また、遠隔コミュニケーションの方法について課題があることが示されたため、特に認知症高齢者とのコミュニケーション方法を明確にしていく。
研究協力者が予定に満たなかったため、調査で使用予定であった額が次年度使用額となった。調査は2021年度にも継続して実施するため、2021年度に使用する予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Telemedicine and Telecare
巻: 20 ページ: 1357633X2093757
10.1177/1357633x20937573