研究課題
本調査では、身体機能レベル別の転倒未遂のパターンおよび頻度を明らかにすることを第一の目的としている。その目的を達成すべく、地域在住高齢者を対象に2019年4月からデータの蓄積を進めている。ベースライン調査として、環境調査に加え、対象者には事前に各種身体機能(握力、歩行速度、バランス評価、身体活動量、基本チェックリスト、日常生活動作)等を実施し、身体機能レベル(ロバスト、フレイル、要介護)を判定する。なお、精神心理機能、薬剤の情報も収集する。転倒未遂の評価は日記形式の記録表を用いて、未遂のタイプ、状況、時間帯などの情報を収集する。転倒未遂の定義は、Maidanらの報告(Gait Posture 2014)に従い、「十分なリカバリーがなければ転倒に至っていた姿勢の崩れ」があり、①予期しない上下肢の動き、②予期しないステップ、③予期しない重心の下方移動、④予期しない歩行ストライド、⑤体幹の傾斜、への該当を確認する。現在、320名の対象者をリクルートできており、ここまでは順調に研究が進捗している。調査の第二の目的は、転倒未遂のパターン・頻度が将来発生する転倒(パターン含む)を予測することである。この予測には十分なサンプルサイズの蓄積が必要である。目標サンプルまでは残り80となっており、当初の予定通り進んだ場合は、2020年の後半には2つめの目的達成のための解析へ移行することが可能である。今後は症例数をさらに拡大し、アセスメント票の開発等、解析に向けた準備をすすめる。
2: おおむね順調に進展している
2019年度は、概ね当初の予定通りのリクルートができている。
2020年度に入ってからは、新型コロナウイルスの影響を受け、調査を一時的に中断せざるを得ない状況となっている。再開の目処は現状では未定である。今後の調査が十分行えない見通しとなった場合には、現時点での蓄積データをもとに解析をすすめることになる可能性がある。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
J Am Med Dir Assoc
巻: 20(11) ページ: 1473-1475
10.1016/j.jamda.2019.05.014