研究課題
今年度は、我々の開発したSPSRSアプリケーションによる介入が閾値下うつ病(StD)の中心的な症状の1つである抑うつ気分を即時に改善できるかどうかをパイロットランダム化並行群間比較試験にて検討した。方法は、32名のStD患者が実験群(n = 16)または対照群(n = 16)に無作為に割り付けられた。実験群にはSPSRSアプリケーション介入(肯定的な言語刺激を含む10分間のビデオ視聴)を、対照群にはYouTubeアプリケーション介入(肯定的な言語刺激なしの10分間のビデオ視聴)を行った。主要アウトカムは,介入後のProfile of Mood States 2nd Edition-Adult Short (POMS 2-A Short) における抑うつ-落込みのベースラインからの変化であった。その結果、実験群では、対照群に比べ、POMS 2-A Shortスコアにおける抑うつ-落込みにわずかな改善(adjusted Hedge's g = -0.32)が認められた。さらに分析の結果から、今後の本格的なランダム化並行群間比較試験でPOMS 2-A Shortの抑うつ-落込みを評価するには、各群56名(合計112名)のサンプルサイズが必要であると推定された。 SPSRSアプリケーションによる介入は、StD患者の抑うつ気分の即時的な改善に有効である可能性がある。今後、正式に算出されたサンプルサイズに基づく本格的なランダム化並行群間比較試験を実施し、これらの知見を再現することが必要である。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Annals of Medicine
巻: 53 ページ: 1402~1409
10.1080/07853890.2021.1968483
Neuropsychiatric Disease and Treatment
巻: Volume 17 ページ: 2739~2748
10.2147/ndt.s323126