研究課題/領域番号 |
19K19725
|
研究機関 | 仙台赤門短期大学 |
研究代表者 |
大沼 由香 仙台赤門短期大学, 看護学科, 教授 (30597381)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 介護予防 / 地域包括支援センター / 自主活動 / 主体的参加 / 互助 |
研究実績の概要 |
2019年度は地域包括支援センターのインタビュー調査を7月~9月に実施し、10月~12月にデータ入力、1~2月には、分析用データベースの作成、単純集計までを行った。4月~6月には調査準備として、地域包括支援センターと介護予防自主活動グループリーダーへの研究説明書、インタビューガイドを作成した。青森市、千歳市、仙台市、石巻市、中泊町の地域包括支援センターを所管する関係部署に連絡し、研究協力の同意を得て、各市町の担当者を通じて地域包括支援センターと介護予防自主活動リーダーに調査依頼書を配布した。承諾の回答書を研究者が受け取り、同意を得られた地域包括支援センター所長と介護予防自主活動グループのリーダーに対して、電話と文書で研究目的を説明し、改めて承諾の得られた地域包括支援センターの介護予防事業担当者と介護予防自主活動グループリーダーを対象として、それぞれグループインタビュー調査を実施した。調査項目は、地域包括支援センターについては、①住民主体の活動の決定方法、②住民の自主性の引き出し方、③目的や意欲の共有方法、④継続するための工夫⑤住民リーダーの見つけ方、⑥成功事例や苦労した事例等である。介護予防自主活動グループリーダーについては①自主活動を立ち上げた時の経緯・工夫、②活動内容についての工夫、③活動継続のための工夫、④活動継続のために専門職に期待すること、⑤参加者集めの工夫、⑥活動場所、⑦リーダーとしての醍醐味等である。調査は、5市町の33地域包括支援センター中、22地域包括支援センターから同意を得て実施した。介護予防自主活動グループは4市町14グループ16人のリーダーから協力を得て実施した。インタビューは許可を得て録音し逐語録におこした。インタビュー対象者の性別、年齢、経験年数等は単純集計を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は調査の実施と調査結果の分析までを完了する計画であった。実際には、調査の実施とテープ起こし、逐語録作成、対象者の基礎データの単純集計までを実施した。分析は地域包括支援センターのデータについて実施中である。したがって進捗状況はおおむね順調と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は分析を完了させ、地域包括支援センターごとのインタビュー調査の結果をまとめる。また、介護予防自主活動リーダーについてのインタビュー調査の分析を行い、結果をまとめる。次に、自主活動創出支援経験のある複数の研究者に分析結果を報告し、意見交換を行う。さらに研究者らの支援方法の工夫について聞き取りを行う。 以上を進める上では、2019年度に介護予防の自主活動について先進事例の情報収集のため、町内会主体の活動、医療法人がかかわっている活動、専門職自身が地域住民として実施している活動を視察したことが課題整理の参考になっている。現在のところ、コロナ禍における移動制限があり、聞き取り方法の工夫が必要となるが、進行上大きな課題はない。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由は以下である。当初は、インタビュー調査の実施地区を6市町予定であったが、5市町から調査協力が得られ実施した。したがって、調査対象者数が減り、謝礼が予定よりも少なくなった。2020年度は、研究者への聞き取りをおこなう際に、調査した地域の介護予防実践を写真やデータで確認し、実践場面ごとの具体的な支援のポイントについて意見交換するため、外部で使用できる持ち歩き可能な軽量のプロジェクターの購入、およびビデオ撮影機材の購入費用に充てる予定である。
|