2022年度は、地域包括支援センター(以下包括センターとする)を対象とした住民主体の介護予防活動の取り組みについてのデータ分析と、住民自主活動グループリーダーを対象とした活動継続についてのインタビュー調査データを分析し、それぞれ学会報告した。また、住民の自主活動創出の支援経験のある複数の研究者に研究結果を報告して意見交換を行い、本調査結果のエビデンスになる貴重な助言を得た。 さらに、これまでインタビュー調査協力を得た包括センターに対して研究結果報告会を開催した。包括センターの管理者やインタビュー協力者に出席していただき、調査結果の説明後、研究結果を元に包括支援センターの抱える課題と今後の取り組み方法について意見交換を行った。 本研究の目的は包括センターが介護予防に向けた地域の自主活動の創出を推進するためのしくみづくりをすることである。2019~2021年にかけて新型感染症の世界的大流行があり、研究の進捗は2年近い遅れが生じたが、包括センター5市29箇所を対象とした現状調査を行い、支援における課題を整理することができた。また包括センターの支援課題を探るだけではなく、自主活動グループリーダーを対象としたインタビュー調査も追加し、包括センターに対して求める支援について整理した。2022年に自主活動の創出をテーマとして取り組んでいる研究者を対象にインタビューを行い、先駆的実践をしている研究者の支援方法を明らかにした。包括センターを対象とした介護予防自主活動の創出支援ガイドラインを作成する計画だったが、地域特性を踏まえた支援が必要であることから、ガイドラインとして規定せず、自由に使える支援者向けのチェックリストを作成した。 包括センターを対象とした研究結果報告会を実施し、「地域包括支援センターが行う住民自主活動創出の支援チェックリスト」を配布した。現在、研究報告書を作成中である。
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