研究課題/領域番号 |
19K19737
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
白谷 佳恵 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40724943)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 卒煙 / PRECEDE-PROCEEDモデル / COPD / 結核 / 禁煙 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、前年度行った文献検討等により検討した,COPD・結核等肺病予防のための卒煙に関する介入内容・方法、卒煙に必要な要素について、喫煙者及び喫煙者の近親者を対象とした半構造化インタビュー及びフォーカスグループディスカッションにより,喫煙に対するニーズ及び卒煙に対するニーズを尋ね内容を記述し,喫煙者の心理を踏まえた卒煙プログラムの要素を検討し,文献検討結果と統合した.統合に際し,卒煙は個人の努力のみにより達成することは難しく,家族や仲間とともに知識やスキルを身につけながらさまざまな要因をコントロールし,改善すべきヘルスプロモーションが必要であり,また個人の心理・行動・生活,さらには社会環境等多分野にかかわる要因を系統的に整理することが有用であるため,PRECEDE-PROCEEDモデルを用いて整理した. モデルを基にした教育として、動機づけ、コーチング、ピア及び近親者サポートが、準備要因として、喫煙関連疾患・症状・喫煙リスクの認知等が、強化要因には専門職による相談体制等が、実現要因には卒煙手段へのアクセス等が抽出された。 卒煙プログラム案では,グループワークにより自らの喫煙行為を振り返り,自他の体験の共有及び励まし合い,卒煙に関する情報共有,スパイロメーターによる肺年齢の把握をとおした肺機能に関する内省等を図り,卒煙にむけた行動変容を促すことを主としていたが、新型コロナ感染症の予防の必要性から、専らオンラインにより介入プログラムを実施してきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、文献検討及び対象者への半構造化面接・フォーカスグループディスカッションにより検討した卒煙プログラム案として,グループワークにより自らの喫煙行為を振り返り,自他の体験の共有及び励まし合い,卒煙に関する情報共有,スパイロメーターによる肺年齢の把握をとおした肺機能に関する内省等を図り,卒煙にむけた行動変容を促すことを主としていたが、新型コロナ感染症の予防の必要性から、専らオンラインにより介入プログラムを実施してきた.スパイロメーターによる肺機能測定は実施できず、グループワークもオンライン実施のため、ディスカッションによるリフレクションは限定的であり、プログラム骨子の構築に至らなかった。またスパイロメーター測定による大規模調査を実施予定であった事業所より、2020年度における実施延期要請を受け、当該年度における実施が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
卒煙プログラム暫定版を完成するため、インターネット調査によるニーズ把握に切り替えて早急に実施し、卒煙プログラム暫定版を完成し,専門職及び当事者各々によるフォーカスグループディスカッションを行い,プログラム内容の評価及び修正を行い、卒煙プログラム暫定版について,前後比較による介入研究を実施する.開始時,3か月後,6か月後,9か月後,12か月後における「準備要因」、「強化要因」、「実現要因」、「環境」及び「行動とライフスタイル」を測定し,アウトカムとして「健康」及び「QOL」を評価していく.明確な因果関係が確認された要因を中心にプログラムを修正し完成していく. また自治体での公衆衛生看護活動に活用可能なプログラムの普及啓発も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症拡大のため、スパイロメータ等による肺機能測定・質問紙調査会が実施できなかった。また対象者への半構造化面接・フォーカスグループディスカッションについても限定的な実施に留まり、研究的知見の創出が不十分であった。次年度は、インターネット調査(予算150万円)に切り替え、すみかに実施していく計画である。
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