本研究の目的は喫煙者へのCOPD・結核等肺病疾患予防、重症化予防のための卒煙グループを立ち上げ、グループ活動の妥当性・実用性を検討し、卒煙にむけたグループプログラムの開発をめざすことであった。以下一連のプログラム開発に向けた調査における分析ならびにプログラム案の検討において、いずれもPRECEDE-PROCEEDモデル(Green,2005)の枠組を参考とした。 2019年度は、横浜市在住または在勤の習慣的喫煙経験のある成人40人を対象に定量調査(無記名自記式質問紙調査及び肺・身体機能測定調査)を実施し、卒煙者及び喫煙者の特徴を記述した。また横浜市A地域の地縁ベースの「卒煙友の会」を立ち上げ、毎月活動を実施した。 2020年度は、COVID-19の影響により前年度立ち上げた「卒煙友の会」のグループ活動をオンラインで毎月実施し、喫煙者及び喫煙者の近親者を対象とした半構造化インタビューならびにフォーカスグループディスカッションによる定性調査を行い、喫煙のニーズ、卒煙に向けたニーズを記述し、喫煙者の心理を踏まえた卒煙プログラムの要素を検討した。 2021年度は文献検討を行い、前年度・前々年度の調査結果も踏まえ、卒煙プログラムの関連要素を整理・検討した。また研究者所属変更に伴い、地縁に関わらないニーズベースで集ったオンラインによるグループ活動のパイロットグループ活動を1回行った。 2022年度は、ニーズベースのオンラインによるグループ活動を継続実施し、グループ活動の継続における要素・課題を抽出した。また禁煙経験のある喫煙再発者16人へのインタビュー調査を行った。 2023(最終)年度は、前年度実施した禁煙経験のある喫煙再発者16人へのインタビュー調査内容を分析し、喫煙の経験、喫煙経験を踏まえた卒煙に向けたニーズを確定し、全調査をもって卒煙に向けたグループプログラムの要素を確定した。
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