研究課題/領域番号 |
19K19743
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
田場 真由美 名桜大学, 健康科学部, 教授 (90326512)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 8050 / へき地 / ソーシャル・キャピタル / 保健師 / アルコール依存症 / 地域づくり |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、へき地の対象地域の「8050」の全戸訪問をし、その事例の分析検討を重ね、住民と行政と大学との協働でSCを活かした地域共生社会の介入モデル開発をすることである。 令和3年度(2021)も令和2年度と同様に新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策としてへき地での高齢者宅への訪問調査の承諾が得られず、訪問調査は実施できずに経過した。また、フィールドワークとして実施してきた地域支援活動も同様に再開予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止された。そのため、へき地で勤務する保健師の面接調査やオンライン面接を実施し、へき地における「8050」世帯への思いと現状に関する情報を収集した。 へき地で勤務の保健師は、「8050」世帯の50歳代の子が統合失調症または、アルコール依存症(疑い)であり、症状悪化時の対応は課題としている。この現状は、へき地であるがゆえに、その地域の交流から家族の課題が近所に拡散されている現状がみられた。その対策として、「8050」世帯からの依頼がある際には、遠方の受診に同行し、関係性の構築、医療機関との連携を強化する働きを音的に実施していることが明らかになった。家族構成が高齢の母親と50歳代の子の家族構成の類似している世帯の50歳代の子らは健康に対して無関心であり、肥満、多量飲酒、失業と地域の健康支援では課題であるとの発言もあった。 また、出版されている図書の分析では、50歳代の子は精神疾患または知的障害の傾向がみられ、バブル期の大学受験や就職で発病、障害の悪化がみられる事例が多いことが伺えた。今後、更に本研究対象地域の「8050」世帯との比較、分析を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の様々な施策と高齢化率30.0%以上の地域のために、地域への訪問の拒否があり、ほとんど実施ができていないためである。 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、研究が停滞しているためである。
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今後の研究の推進方策 |
保健師の「8050」世帯への思いに関するインタビュー調査の継続と、「8050」世帯の訪問調査、保健師との事例検討会を実施し、親なき後の当事者支援と、「8050」世帯の互助を中心とした支援体制づくりと、「8050」世帯のアルコール依存症のを生み出さない、早期からのアルコール飲酒やメンタルヘルスの健康教育、産業の活性化など含めた地域共生社会について自治体と共同できるよう調整を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度(2021)は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策のためにへき地での研究の実施が大学、へき地の自治体からの承諾が得られず、実施できないかった。そのために交通費、宿泊費、学会参加費を使用できなかった。 令和4年度(2022)は、感染対策を実施しへき地での調査を実施する。そのために交通費や宿泊費が必要である。その他に学会参加費、投稿費、報告書作成費を使用する予定である。
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