研究課題/領域番号 |
19K19746
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 なつ紀 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教(有期・研究奨励) (80835851)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 在宅看護 / 医療安全/患者安全 |
研究実績の概要 |
当初、2021年9月~2021年11月に、全国の訪問看護ステーションの管理者を対象とした質問紙調査を予定していたが、当該期間がCOVID-19の感染拡大第五波の渦中であった。この感染拡大の第五波では、訪問看護ステーションスタッフによる、自宅療養中の陽性者への支援が本格化し従来業務を圧迫する可能性が懸念される時期であったこともあり、調査による対象者への負担の増大ならびに、返送率の十分な確保困難への懸念から、2021年度の質問紙調査の実施を断念した。 訪問看護師5名を対象としたオンラインでの、事故・インシデントを含む訪問看護ステーション内外での情報共有へのCOVID-19の影響に関するヒヤリングでは、①直行直帰の機会の増加、②黙食や訪問車内での食事の推奨、③直接顔を併せてのミーティング機会の減少などにより、ステーション内でのコミュニケーション機会の減少が示唆された一方で、ステーションごとにCOVID-19への対応状況・影響が異なる可能性が示された。 また、業務上の失敗や困りごとの報告・相談がしやすい訪問看護ステーションの環境について、主に新任スタッフ向けの困り事に関する相談会の開催や、訪問から戻ったタイミングで管理者に報告や相談のタイミングがあることなど、報告/相談機会が確保されていることだけでなく、業務の合間に気兼ねなく雑談のできる空気や、他のスタッフの報告時の周囲の反応など、組織の雰囲気について多くの意見が語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、2021年9月~2021年11月に、全国の訪問看護ステーションの管理者を対象とした調査を予定していたが、当該期間が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大第五波の渦中であった。この感染拡大の第五波では、訪問看護ステーションスタッフによる、自宅療養中の陽性者への支援が本格化し従来業務を圧迫する可能性が懸念される時期であったこともあり、調査による対象者への負担の増大ならびに、返送率の十分な確保困難への懸念から、2021年度の調査の実施を断念した。
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今後の研究の推進方策 |
訪問看護師5名を対象としたオンラインでのヒアリングにより、訪問看護ステーション内の情報共有体制へのCOVID-19の影響や、訪問看護師の報告行動に関連する心理的安全性にも着目する必要性が示唆されたため、次年度の調査では、訪問看護ステーションの管理者・スタッフを対象とした全国調査を2022年6月に実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響を受け、調査が予定通りに実施できなかったため、3ヵ年の調査期間を1年延長した。2022年度は、訪問看護ステーションの管理者ならびにスタッフを対象とした、質問紙・Web調査を併用した全国調査を実施予定である。この質問紙調査関連の印刷費・郵送費ならびに、Web調査用フォーマットの作成費やオンラインデータ管理費用等に助成金を使用予定である。
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