研究課題/領域番号 |
19K19753
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
古賀 佳代子 福岡大学, 医学部, 講師 (20598966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 熊本地震 / 就労者 / 健康支援 |
研究実績の概要 |
熊本地震は、2016年4月14日と4月16日に震度7の地震が発生し大規模な災害であった。被害状況は死者120人(震災関連死を含む)、重軽傷者2,448人、住宅被害状況は172,077棟であった。熊本地震の特徴は、余震(震度1以上)が頻発していることである。気象庁のデータによると、震度1以上の余震は約6カ月間に4400回と報告されており、邦国の過去の地震と比較にならない程であった。先行研究では、特定の地区や避難所で生活される人を対象とした研究は多く見られる(内木ら、2015)が、就労者に焦点を当てた研究は少ない。よって、本研究では、熊本地震で被災した就労者の健康被害の実態と教育プログラムを開発することを目的とする。 第1段階として、アンケート調査にてストレスやPTSDがどの時期に軽減・増悪したのかを検証する。第2段階として、企業毎にどの時期にカウンセリング等を実施したのか対処方法を調査しストレス等と関連性を検証する。第3段階として、インタビュー調査と文献から災害による就労者のストレス要因を抽出し、教育プログラムを作成し、信頼性・妥当性を検討し修正を加え完成度の高いものにする。 現段階では、震災から3年後(令和元年)、5年後(令和3年度)の調査を予定通り終えることができている。結果、災害就労者のPTSDは震災から3年後までは1割程度の者に見られていたが、5年後には1割を切っており先行研究と同様であったことが明らかになった。また、PTSDには、身体機能や社会生活機能、不安と不眠、車中泊が、精神的健康には、活力や回避症状、車中泊、自覚症状が影響要因であることが明らかになった。また、企業の対応としてカウセリングを実施していないことも明らかになった。災害就労者に対する震災前・震災後の教育プログラム(案)を作成中であり、更に完成度をあげていくことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート調査にて熊本地震に被災した就労者のストレスやPTSDがどの時期に軽減・増悪したのかを検証するため、熊本地震発生から5年目にあたる2021年4月に4回目のアンケート調査を実施し、対象者207人中183人回収(回収率88.4%)であった。現在、学会発表、論文作成に取り組んでいる。しかし、災害による就労者のストレス要因を抽出し作成する、教育プログラムの信頼性・妥当性を検討するためのインタビューが、新型コロナウイルスの影響を受け実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(令和4年)は、課題3「インタビューと文献から災害による就労者のストレス要因を抽出し、教育プログラムを作成し、信頼性・妥当性を検討作成した教育プログラムの信頼性・妥当性を検討する。」を明らかにするため、インタビュー調査に協力して頂ける協力者を募る。協力が得られた対象者に、先行文献を参考に研究者が作成したインタビューガイドに基づく半構造化インタビューを実施し、データ収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、新型コロナウイルスの影響で学会発表や会議等が、中止もしくは全てオンラインで実施した。予算にあげていた旅費や会議費等を使用しなかった。
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