オンライン上で実施した動機づけ面接を用いた禁煙支援面接について、その効果と動機づけ面接の果たす役割の振り返りを行い、学会発表及び論文化を行った。得られた結果として、吸いたい気持ちと止めたい気持ちの両価性を抱えるクライアントに禁煙支援を行う際には、動機づけ面接のプロセスにおいて「関わるプロセス」で支援者が本人の重要な価値を禁煙と関連づけて関係構築を意図した会話や禁煙を希望しながら続く両価性に対してその理由を引き出す会話が、チェンジトークを促し自信度の上昇に繋がっていた。また、面接の都度ごとに振り返りを行う機会を作ることによって、面接の改善を図りながら実施することが必要であることが得られた。 動機づけ面接を活用した物質・行動依存の行動変容支援を目的とするWebプログラムの文献検討では、過去10年間の依存の問題を抱えるクライアントに対するWebを活用した介入プログラムについて27文献を検討。その結果、Webプログラムのモジュール作成の段階で動機付け強化療法への応用や認知行動療法の補完として用いられているもの、Web上でMIによる面接を行っているもの、介入プログラムの前後にMIによる面接を取り入れているものなどであり、依存物質や依存行動の摂取量や頻度・回数以外に、行動変容の準備性、介入プログラムの使い良さや満足度、費用対効果などを評価基準として設定していた。その効果としては、短期的評価では多くの研究で依存物質や依存行動の減少に効果的であったことが示唆された。
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