研究課題/領域番号 |
19K19756
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大竹 まり子 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (40333984)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 訪問看護 / みまもり / 潜在ニーズ / 介護予防 |
研究実績の概要 |
訪問看護師による「健康みまもり訪問」の概念化、高齢者対象の潜在ニーズ調査を踏まえ、令和3年度は子供世代を対象に調査した。 調査目的は、子供世代の介護準備状況とサービス利用意向を明らかにすることである。調査対象は首都圏に在住する40~50代男女で、親が要支援・要介護認定を受けておらず、親と同居していない者である。調査はインターネット調査会社(M社)に委託した。M社の登録会員のうち対象者に該当し、期間中に調査に協力した441名を分析対象とした。 回答者は男性54.2%で、親の居住地は遠い(鉄道や車で2時間以上)37.4%、やや遠い(30分以上2時間未満)37.0%だった。2021年1月から半年間で親と全く会っていない43.3%で、コロナ禍で帰省頻度がとても減った44.9%だった。介護保険の利用方法を知らない68.3%、地域包括支援センターを知らない46.3%で、介護についての不安は知識がないこと46.3%、経済的な余裕がない42.2%だった。通院中の疾病のある親は44.9%で高血圧等23.8%、糖尿病8.6%で、わからないは24.0%だった。親と介護について話し合ったことがある2.9%だった。訪問看護師が親の健康を見守り子供に報告する「健康みまもりサービス」は利用したい・どちらかといえば利用したい合わせて74.1%だった。 以上より、子供世代の介護準備の状況は不十分なこと、コロナ禍で親と会う頻度が減っていること、介護認定を受けていなくても何らかの疾病を抱えている親が約半数いることが明らかとなった。親の住む地域で親の健康をみまもるサービスの利用ニーズはあると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討から「健康みまもり訪問」の潜在ニーズを概念化し、高齢者対象の調査と、子供世代対象の調査を終了した。現在収集したデータの分析と文章化の途中である。 コロナ禍のため調査が1年遅れた。研究者が親の介護のため文章化が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
調査結果の分析を進め、健康みまもり訪問の潜在ニーズを明らかにするとともに、訪問看護の利用意向との関連を分析し、「健康みまもり訪問」の事業化の可能性を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため成果報告の学会がオンライン開催となり旅費が生じなかったこと、事業化に向けて専門知識の提供を予定していたが、研究全体の遅れにより実施していないことから差が生じた。今年度分析を進めるために人的協力を得るために人件費として使用し、また事業化に向けて専門的知識の提供を受け、関係団体と協議するために使用する予定である。
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