研究課題/領域番号 |
19K19756
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大竹 まり子 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (40333984)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 訪問看護 / 健康みまもり / 潜在ニーズ |
研究実績の概要 |
訪問看護師による「健康みまもり訪問」は現行制度にない新たなサービスである。看護師が早期に介入することで介護予防につながる高齢者像を健康みまもり訪問の潜在ニーズとして概念化を試みた。また、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるには、離れて暮らす子供の安心を支えることも必要であることから、子供世代の潜在ニーズも検討した。 その結果、高齢者のフレイルの状況、本人の自覚症状、通院の状況、継続する医療の状況、内服薬の状況、医師との関係性を高齢者の潜在ニーズとし、子供世代の潜在ニーズには介護準備状況(介護についての知識、親についての情報、親との話し合い)を健康みまもり訪問の潜在ニーズとした。 高齢化率の高い地域包括支援センター1圏域で介護保険未申請の元気高齢者を対象に調査を実施した。分析対象者103名のうち 約4割がプレフレイル、フレイルの状態で、通院中の者は87.6%、高血圧症や糖尿病の慢性疾患が3~4割を占めた。慢性疾患は病期に応じて生活習慣を見直し、症状をコントロールする必要があることから、医療と生活を包括的に支援する機能を持つ看護師が健康相談、健康管理を行う健康みまもり訪問の潜在ニーズがあると考える(第51回日本看護学会在宅看護)。 令和3年度は首都圏に在住する40~50代男女を対象にインターネットを用いて調査した。親が要支援・要介護認定を受けておらず、親と同居していない登録会員で期間中に調査に協力した441名を分析対象とした。介護保険の利用方法を知らない68.3%、介護についての不安は知識がないことが最も多く、通院中の疾病のある親は44.9%、親と介護について話し合ったことがある者は2.9%だった。コロナ禍で親と会う頻度が減っている現状も明らかにり、子供世代にも健康みまもり訪問のニーズがあると考える(第3回日本在宅医療連合学会大会Late Breaker session)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で調査が遅れたこと、研究者自身が介護問題で退職して研究を続けていることから、論文投稿が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究結果をまとめ、論文に投稿する。 山形県訪問看護総合支援センターの協力を得て、山形県内の訪問看護ステーションを対象に研究の報告会を開催する。さらに「健康みまもり訪問」の事業化、および事業の拡大を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究当初から山形県訪問看護連絡協議会と事業化に向けて話し合いを行っていたが、コロナ禍で現場の訪問看護ステーションが多忙を極め、協働がうまく進まなかったため次年度使用額が生じた。 令和3年に山形県看護協会に山形県訪問看護総合支援センターが開設されたことから、令和4年度に協働について相談し、令和5年度に研究報告会開催できることとなった。報告会開催の経費、論文投稿に際しての英文の校閲に使用する計画である。
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