研究課題/領域番号 |
19K19759
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野口 麻衣子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60734530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在宅看護 / 訪問看護 / 専門性の高い看護 / 症状マネジメント / 褥瘡 / 緩和ケア |
研究実績の概要 |
本研究は、専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を検証すると共に、訪問看護師が専門性の高い看護師を探索し相談可能なシステムの開発・試行・評価を通してシステムの普及方法について検討することを目的とし、以下の2つの研究を実施する。 【研究1】専門性の高い看護師による、症状マネジメント困難事例に関する訪問看護師への支援の効果を明らかにする。(令和元年~2年) 【研究2】訪問看護師が専門性の高い看護師へ支援の依頼が出来る相談システムの開発・試行を行い、普及方法を検討する。(令和2年~3年) 令和2年度は、研究2の事前調査として、専門性の高い看護師による相談システムについて、訪問看護師を対象とした調査を実施した(分析対象者379名)。調査の結果、専門性の高い看護師による支援を過去1年に受けた実績として、同行訪問は80名(21.1%)、同行訪問を伴わないコンサルテーション74名(19.5%)、事例検討会・研修会・勉強会は101名(26.6%)が経験していた。また、専門性の高い看護師による支援紹介のマッチングシステムについて、利用したいと回答した者は243名(64.1%)であった。 これらの結果から、専門性の高い看護職による支援はまだ行き届いておらず、マッチングシステムへのニーズは高いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大によって、当初予定していた非ランダム化比較試験(追跡期間1年)の実施が難しい。システムの開発に向けた動きは継続しており、予備調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、研究計画に沿って、研究2を推敲めていく。 【研究2】 研究1と並行して、訪問看護ステーションと専門性の高い看護師のマッチングシステムの検討を開始する。システムの開発にあたり、訪問看護師及び専門性の高い看護師を対象にしたフォーカルグループインタビューを実施し、社会実装可能なシステムの開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度及び令和2年度の計画の一部については、COVID-19の感染拡大によりデータ収集が中断し、一部変更が生じた。昨年度実施予定だった一部の計画については、令和3年度に実施していく予定である。
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