本研究課題では、地域在住高齢女性における夜間頻尿の有訴率を明らかにし、夜間頻尿が身体機能に及ぼす影響を検証することを目的とした。 地域在住高齢女性125名を対象とし、過活動膀胱症状スコア(overactive bladder synptom score:OABSS)を用いて夜間頻尿の有無を評価し、夜間頻尿の有無により、身体活動量、骨格筋量指数、下腿周囲径、握力、歩行速度、片脚立位時間、timed up and go test(TUG)を比較した。 地域在住高齢女性125名中、98名(78.4%)に夜間1回以上の夜間頻尿を認めた。夜間頻尿を有する女性(n=98)では、症状がない女性(n=27)と比較して年齢が有意に高く、OABSSの合計スコアが有意に高値であった一方、身体活動量、骨格筋量指数、下腿周囲径、握力、歩行速度、片脚立位時間、TUGについては群間に有意差を認めなかった。 本研究の結果より、地域在住高齢女性の78.4%が夜間頻尿を有することが明らかになり、夜間頻尿には年齢が高齢であることや、過活動膀胱症状の自覚的重症度が関連することが示唆された。一方で、夜間頻尿と身体機能については関連を認めなかった。
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