研究課題/領域番号 |
19K19775
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吹田 晋 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (30813779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地域・職域連携 / 小規模事業場 / 人材育成 / メンタルヘルス / 健康教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、行政保健師が小規模事業場と連携し、メンタルヘルス対策担当者の育成と健康教育を推進するための地域・職域連携ガイドを作成することである。そのために、以下の3点を明らかにする。①行政保健師が実践で活用できる連携ガイドに含むべき内容を明らかにする。②地域・職域連携事業の実施による、従業員のメンタルヘルスへの効果、職場環境改善への効果、地域・職域連携体制への効果を明らかにする。③連携事業の実施を通して地域・職域連携ガイドを完成させると同時に、他の自治体における活用の可能性を明らかにする。 2年目である本年度は、小規模事業場におけるメンタルヘルス担当者育成と健康教育の実施に向けて、研修内容や方法の検討を行った。先行研究における介入方法と成果を明らかにし、参考にすることが有益である。そのため、本年度は、小規模事業場におけるメンタルヘルス対策について、先行研究の特徴(論文が書かれた言語、実施された国、研究デザイン、介入の対象)と介入の特徴(内容、評価指標、主な結果、課題)を明らかにするために、スコーピングレビューを行った。 スコーピングレビューの結果、中小企業におけるメンタルヘルスへの介入に関する研究は十分ではなく、エビデンスレベルの高い介入方法は確立されていないと判断された。しかし、中小企業におけるメンタルヘルスへの対策のタイプの分類と、対策のタイプによる効果や課題を明らかにできた。 本年度の研究結果から、来年度のメンタルヘルス担当者育成研修と健康教育の実施に向けた内容・方法が検討可能となり、検討内容に基づいて来年度は担当者育成研修と各事業場における健康教育を実施する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、地域・職域連携事業への参加を希望した事業場において、担当者育成研修の実施と評価をする予定であった。さらに、担当者育成研修の実施と評価のプロセスにおける、地域・職域連携の促進要因と阻害要因を明らかにするため、事業場の管理者や担当者、行政保健師にインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、COVID-19の感染拡大に伴い、協力自治体とも協議した結果、本年度は担当者育成研修を実施することができなかった。そのため、進捗状況に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に実施したインタビュー調査の分析結果と2020年度に実施したスコーピングレビューの結果をもとに、小規模事業場におけるメンタルヘルス担当者育成研修を作成し、実施と評価をする。さらに、育成したメンタルヘルス担当者と各事業場で健康教育を実施し、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、担当者育成研修の実施と評価に加え、担当者育成研修の実施と評価のプロセスにおける、地域・職域連携の促進要因と阻害要因を明らかにするため、事業場の管理者や担当者、行政保健師にインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、COVID-19の感染拡大のため、実施することができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。次年度は、2020年度に実施できなかった担当者育成研修の実施と評価を行うため、旅費や謝金の支出を行う。さらに、当初の計画にしたがい、育成した担当者と各事業場で健康教育を実施する予定であり、そのための費用を当初の計画に基づいて支出する。
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