研究課題/領域番号 |
19K19778
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
山本 由子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (00550766)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / インフォームド・ケア / ライフレビュー |
研究実績の概要 |
2020年度は前年度より引き続き、①認知症高齢者へのライフレビュー実践への協力施設を確保し、②アプリケーションソフト開発を進める予定であった。しかし、実際は①②ともに研究を進めることが困難であった。 2020年4月7日、研究対象とする地域においてCOVID-19への非常事態宣言が発出された。高齢者施設への立ち入りや面談、および関係者へのインタビュー等も控えざるを得ない状況となった。このため、アプリケーションソフトを用いたインタビューが不能となり、ソフト自体の開発と共に進展できていない。ソフト作成を依頼する業者にはアイデアを説明し、試作の段階であり、2020年度内に使用成果を確認した上での支払いに至らなかった。依頼業者より、まずはドキュメントファイルの作成とし、過去の事例を用いて使用感を試すなど、前向きな提案を受け方向性を話し合っている。 また、本研究のベースとして国内外の論文を検索し、2019年度にはレビューを行った。その論文をまとめるにあたり、量的データと質的データの計画的な統合・収斂・結合の方略として混合研究法(Mixed Methods)を考えた。Mixed Methodsデザインは現在、研究デザインの開発が進められている段階である。そのため、別途、研究支援ツールを試作する企画に加わり、オンラインでツールの施行協力者を募った。参加が得られ、実践結果を関連学会で発表した(10月24~25日、オンライン)。本研究での文献レビューの投稿に役立てる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
プレ調査を含めた協力施設について、COVID-19まん延防止等重点措置および緊急事態宣言の発令が繰り返されている現況下では、研究協力許可を得ることが難しい旨を回答されている。施設入居者および関係スタッフの安全と安心を優先し、ワクチン接種後、状況をみて回答をいただく予定である。 アプリケーションソフトについては、協力業者を選定し、作成にかかっていただいている。既存の「アルバム作成」にオリジナルの機能を加えているが未だ完成に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年4月20日、研究予定地域でのCOVID-19感染第4波への非常事態宣言およびまん延防止対策が発出、さらに宣言対象地域が拡大され、高齢者施設への立ち入りおよび関係者へのインタビュー等も引き続き控えざるを得ない状況となっている。 今後は、入居者および施設スタッフ・医療者のワクチン接種終了後、あらためて施設に研究協力を依頼する。その際、研究者の直接対面に変えて、施設スタッフの仲介によるタブレットを用いたプレ調査を考慮している。進展にさらに時間を要する場合は研究期間を延長し、海外における類似した研究の情報を収集して、可能な範囲での実践とオンラインを含めた方法の検討を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19 感染拡大に伴い、高齢者施設への訪問と面談(ライフレビュー実施)、および開発ツールであるアプリケーションソフトの作成が延期または取り止めとなった。そのため、アプリケーション開発についてはストップした状態であり、業者への支払いを行っていない。また、研究協力を予定していた施設スタッフへの謝金、使用するタブレット等の物品費・移動費等が生じなかった。 本研究に関連した学会発表では、実際の物品等の費用はかからず、オンライン開催であったため経費は発生しなかった。 2021年度は、対象者との対面を減らした方法で研究を進める予定である。アプリケーション作成にかかる業者支払い、高齢者施設関係者への謝金等、そして、可能な範囲の研究成果の発表に向けて助成金を使用していく予定である。
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