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2021 年度 実施状況報告書

反すうに着目した新しい認知行動療法プログラムの開発と効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K19781
研究機関神戸常盤大学

研究代表者

江口 実希  神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (40631718)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード反すう / マインドフルネス / 看護 / 精神障害 / 抑うつ
研究実績の概要

2021年度は,精神科デイケアに通う抑うつを有する成人を対象にランダム化比較試験を行った(プログラムを受講する介入群と,受講しない対照群(通常治療群)に無作為に割り付けた).介入群は,週に1回,1回60分(全8回)のセッションで構成するプログラムを実施した.セッションは主にマインドフルネス訓練(呼吸法)と心理教育で構成した.セッションのない日は,呼吸法を1日10分程度行い実施状況の記録するように依頼した.効果測定は,介入前,4週間後,8週間後と,介入群のプログラム終了1ヶ月後,3ヶ月後に行った.
結果,70名が参加を希望した.参加希望者のうち,適合基準を満たさないもの(23名)と,辞退したもの(10名)の合計33名を除外し,最終的に37名の参加者がランダムに2群に割りつけられ,そのうち30名(介入群16名,対照群14名)のデータを分析に用いた.
参加者の属性(性別,年齢,通院歴,デイケア通院歴,内服状況,GAF)に有意な群間差は見られなった.主要疾患は,統合失調症であった.
介入効果では,反すう制御に群×時間の交互作用が認められた(F(4,107.931)=3.027, P=0.021).また,抑うつ症状は,時間の主効果が(F=2.863,P=0.042),抑うつ気分では,群の主効果が認められた(F=8.560,P=0.004).さらに,認知の偏りのうち,先読み(F(4,109.044)=3.567,P=0.009),深読み(F(4,108.413)=3.799,P=0.006)に群×時間の交互作用が認められた.なお,介入群の呼吸法の平均実施時間は,1001(±958)時間,平均実施日数は87.4(±60)日であった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

予定していたプログラム介入を予定よりも早期に完了し,データの量的分析を通したプログラムの効果の分析,評価に着手することが出来た.
以上のことから「当初の計画以上に進展している」と評価した.

今後の研究の推進方策

今後は,プログラムの効果を量的に評価し,プログラムのブラッシュアップを検討する.
また,得られた知見を学会発表等で公開するとともに,今後の実用可能性についても検討する予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初,プログラム介入効果の評価のため,生理学的データや脳血流測定を計画していたが,コロナ禍の影響を鑑み変更した.よって予定した費用が発生しなかったことがあげられる.
以降,プログラムのブラッシュアップや研究成果の還元に関する支出を予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Rumination: A Concept Analysis2021

    • 著者名/発表者名
      Eguchi Miki、Kunikata Hiroko
    • 雑誌名

      Journal of Japan Academy of Nursing Science

      巻: 41 ページ: 160~165

    • DOI

      10.5630/jans.41.160

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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