計画1)臨床研究法に準じた研究計画書の作成,研究開始の準備 臨床研究法に準じた研究計画書を作成し、特定臨床研究開始の準備を実施した。2020年9月に研究プロトコルが完成、jRCTに2020年10月に登録後,研究を開始した。研究のデザインはRCT、介入群と対照群に1:1の比率でランダムに割り付けを実施、介入は週2~3回を目安に合計9回の介入、主要評価項目は歩行自立度の評価であるFAC、副次評価項目は、下肢の運動麻痺、歩行速度、歩行時の耐久性、ADL、QOL等、介入前後に加え、研究終了6か月後に各種評価を実施する計画とした。
計画2)急性期重度片麻痺患者におけるHAL治療の有用性を検討 特定臨床研究:臨床研究実施計画番号(jRCTs032200151)「脳卒中急性期片麻痺に対する装着型サイボーグHALの有効性と安全性に関するランダム化比較試験」を2020年10月より開始、2023年4月時点で16例(介入群:10例、対照群:6例)が完了、フォローアップ評価(6か月後評価)は7例が実施済みである。重篤な疾病等の発生、有害事象はない。現時点では症例数に偏りもあり、目標症例数に達していないことから統計学的な解析は未実施であるが、両群ともに下肢の運動麻痺、歩行能力、ADL能力等に改善が認められている。主要評価項目である歩行自立度(FAC)は開始時から終了時の変化量(平均)で介入群が1.2、対照群が0.5と介入群で特に介助量の軽減(歩行自立度の向上)が図れている傾向にある。介入に関しては、平均歩行時間は介入群で11.7分、対照群で9.7分、平均歩行距離は介入群で186m、対照群で79mであり、介入群で歩行時間や距離が多く、歩行練習量が確保できている印象がある。現時点では、歩行介入中の転倒や擦過傷は無く、安全に研究の実施が可能である。引き続き症例数の確保に向け、研究を継続していく予定である。
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