筋性拘縮の主病態である線維化の発生には筋核のアポトーシスが関与するが,その上流のメカニズムは明らかにできていなかった.一方,アポトーシスの発生にはミトコンドリア融合因子であるmfn-1の発現低下と分裂因子であるdrp-1の発現亢進に伴うミトコンドリアDNAの減少とこれを契機としたミトコンドリア膜電位の低下が関与するとされている.つまり,不動化した骨格筋でも同様の変化を発端として筋核のアポトーシスが生じると仮説できることから,本研究ではこの点を検証した.結果,不動化した骨格筋では仮説と同様の変化が確認され,これが筋核のアポトーシスを誘導し,線維化,ひいては筋性拘縮の発生につながったと推察される.
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