脳卒中に起因する神経因性膀胱に対しての経皮的膀胱干渉波電気刺激療法の効果と、治療前後における脳活動の変化を前頭前野への機能的近赤外線分光法(fNIRS)による脳血流によって評価した。 回復期の2例の脳卒中後神経因性膀胱患者を研究に導入することができ、1例は過活動膀胱、もう1例は定活動膀胱の状態であった。5週間週5回の経皮的膀胱干渉波電気刺激はいずれの患者においても排尿状況の改善を認めた。fNIRSでは過活動膀胱患者に蓄尿を再現した際に、前頭前野で全般的な過剰な発火を認め、治療後には一部前頭前野の血流減少を認めた。低活動膀胱患者では蓄尿を再現した際に前頭前野の血流低下を認め、治療後に一部前頭前野の血流増加を認めた。 いずれの場合も1例にとどまり、断定的なことは言えないもの、脳卒中後の神経因性膀胱には過活動膀胱、低活動膀胱のいずれかのパターンとなるかは前頭前野の活動が関連しており、いずれのパターンにおいても経皮的膀胱干渉波電気刺激療法は効果的であり、前頭前野の活動を適正化することにより寄与している可能性が考えられた。
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