研究課題
若手研究
肩関節後方関節包のタイトネスは投球障害肩との関連が深い。これまで後方関節包に対する効果的なストレッチング肢位については一定の見解が得られていなかった。 本研究では、超音波剪断波エラストグラフィを用いた弾性計測により、関節包の受動張力を非侵襲的に推定評価可能であることを示した。この知見に基づき、未固定凍結人体標本および野球選手を対象に効果的なストレッチング肢位を検証した。その結果、肩甲骨面挙上30°位での内旋方向へのストレッチングが後方関節包に受動張力が強く加わる肢位である可能性を示した。
理学療法学
本研究は、これまで運動器領域では主に筋組織にしか活用されていなかった超音波剪断波エラストグラフィが関節包組織にも使用可能であることをはじめて示した。このことは、関節包や関節包と組織学的特徴がほぼ同一である靱帯組織の評価、治療方法の開発に超音波剪断波エラストグラフィが応用できることを示している。また、本研究で示された肩関節後方関節包への効果的なストレッチング肢位を医療機関やスポーツ現場で実施することで、野球選手のけがや障害の治療、予防に貢献できる可能性がある。