私たちは前庭リハビリテーションの効果を日本で初めてランダム化比較試験を用いて検証した。理学療法士が実施する前庭リハビリテーションが医師のみで行う生活指導、運動指導と比較して主観的なめまい感及び日常生活の活動量を増大させることを示した。また、前庭脊髄路興奮性の評価の適切な測定方法を示し、検査の信頼性を確認した。その方法を用いて健常者を対象に動的バランス課題によって前庭脊髄路の興奮性に変化があるかを検証した。全例で前庭脊髄路の興奮性は高まらなかったが、前庭脊髄路の興奮性が高まるほど姿勢制御能力の即時的な改善がみられた。これからめまい患者への応用を行っていく。
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