研究実績の概要 |
2021年度、2022年度の検討で、Dahl食塩感受性ラットの腎臓において、脂肪酸β酸化酵素およびその転写因子であるcarnitine palmitoyltransferase type I (CPTI)、極長鎖アシ ルCoA脱水素酵素、中鎖アシルCoA脱水素酵素、短鎖アシルCoA脱水素酵素、peroxisome proliferator-activated receptors (PPAR-α)、PPAR γ coactivator-1α (PGC-1α)蛋白発現が、高食塩(HS)群に比べて高食塩+運動(HS+Ex)群で有意に増加していることを確認した。 今年度は、電子伝達系複合体であるcomplex I NADH ubiquinone oxidoreductase 1 β subcomplex 8 (CI-NDUFB8) , complex II succinate dehydrogenase B (CII-SDHB) , complex IV mitochondrially encoded cytochrome c oxidase 1 (CIV-MTCO1)の腎臓における発現について検討したところ、これらの酵素発現はHS群に比べてHS+Ex群で有意に増加した。 これらの結果から、Dahl食塩感受性ラットにおいて、長期的運動は腎臓の脂肪酸β酸化と電子伝達系に関与する酵素の発現を増加させ、腎ミトコンドリア機能不全を改善することが示唆される。
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