研究課題/領域番号 |
19K19804
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
長島 泉 杏林大学, 保健学部, 助教 (20713548)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メンタルローテーション / 運動イメージ / 視覚イメージ / 遂行方略 / 加齢 |
研究実績の概要 |
本研究は,運動機能改善のリハビリテーションで用いられはじめている手の心的回転課題(Hand Mental Rotation Task, HMRT)の遂行能力と遂行方略について,加齢による変化の様相を確認したうえで,上肢の実運動能力との関連性を明らかにすることを目的としている.研究疑問として,1)HMRT遂行能力は加齢によってどのように変化するのか,2)加齢によるHMRT遂行方略の変化は何歳くらいから始まるのか,3)HMT遂行能力が高いほど一般生活者レベルでの上肢の運動能力は高いのか,の3点を挙げた. 2019年度は,研究疑問の1)2)を明らかにするため,まず,すでに研究協力を得ていた高齢者の,HMRT遂行能力による遂行方略の違いを検討した.先行研究において,高齢者はHMRTの手背写真遂行時に,視覚イメージ方略に運動イメージ方略を付加する知見を得ていたが,本検討によって,HMRT遂行時間の短い高齢者は運動イメージ方略を付加することなく,視覚イメージ方略で課題遂行する可能性が示された.この成果は印刷公表を行った.また,研究チームでの合同検討により,性別によるHMRT遂行方略の違いを明らかにし,印刷公表を行った.これらの検討で得られた知見を基盤として,2020年度ではさらに若年層を含めた15~88歳の男女300名以上のデータを解析した.本データは,運動イメージ能力の指標として,HMRT応答時間を正答率で補正した値(inverse efficiency score, IES)を用い,印刷公表を行った.また,研究疑問3)の検討について,2019年度から研究参加者を募り, 12名のデータを取得済みであるが,感染症パンデミックにより参加者募集を停止している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度中から研究参加者募集を行い,12名のデータを取得済みではあるものの,2020年度は,感染症パンデミックにより参加者募集を停止しており,データの取得が困難であるため.
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今後の研究の推進方策 |
感染症パンデミック収拾の見込みがつかない中,広く研究参加者を募集することは困難を極めている.一方で,学会開催方法は多様化しているため,研究成果の発表の場は復活しつつある.そのため,2021年度は,研究参加者募集をコンパクトにすることで,可能な限り,データを収集し,学会発表も行っていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究参加者の募集を停止したために,予算計上している研究参加者への謝金支払いがなかったこと,学会の開催中止が相次いだことなどから,次年度使用額が0よりも大きくなった.次年度には,学会参加や印刷公表に関わる諸経費や研究参加者に対しての謝金として繰り越して使用する計画である.
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備考 |
このWebページでは,研究参加者を募集するために研究内容を記載している.
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