研究課題/領域番号 |
19K19811
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
谷野 元一 藤田医科大学, 保健衛生学部, 研究員 (70631753)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 電気刺激 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、重症脳卒中片麻痺患者を対象に、波形には不快感が少ない指数関数的漸増波を用い,同時に多数の筋が刺激できるベルト型電極を使用した電気刺激治療が有用であるか検証することである。脳卒中リハビリでは運動麻痺などの機能障害の改善,および日常生活活動(ADL)の再獲得が重要であり,運動麻痺の回復に電気刺激が用いられてきた。しかし,重症脳卒中患者では,特定の筋のみの回復ではADL向上に寄与することは難しい。そのため、ベルト型電極を用いることにより電体幹・両下肢への全般的な刺激が重要である。今年度は、本研究の治療効果を示す上で重要な、指数関数的漸増波の有用性を矩形波と比較により明らかにしようとした。それぞれの波形のパルス幅は250マイクロセカンド、周波数は20Hzとした。電極の大きさは5cm×20cmのものを使用した。電極は十分に水で濡らし、ベルクロストラップで固定した。電極位置は近位側を鼠径靭帯の中点から3cm遠位、遠位側を膝蓋骨上縁から3cm近位とした。被験者が耐えうる最大強度での電気刺激を実施し、その際の、ピーク膝伸展トルクなどを計測した。また、同時に電気刺激装置とオシロスコープを接続し,筋にかかる電圧と,10Ωの抵抗通過時の電位差を計測し,筋にかかった電圧値と電流値を算出した。健常成人30名を対象とし、右側の大腿四頭筋を測定側とした。矩形波よりも指数関数的漸増波での刺激時に高いトルク値が得られる傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属が変更になり、研究体制の構築に時間を要したため。現在、得られたデータを詳細に解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究データの解析を進め、結果を明らかにする。また、重症脳卒中片麻痺患者での電気刺激介入を開始し、データ取得を進めていく。研究に必要な備品購入(関連書籍、解析ソフトなど)の購入を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、予定していた患者での研究が実施できなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は予定通り研究が進む予定で、研究に必要な備品の購入を計画している。
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