研究課題/領域番号 |
19K19811
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
谷野 元一 藤田医科大学, 保健衛生学部, 研究員 (70631753)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電気刺激 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、重症脳卒中片麻痺患者を対象に、波形には不快感が少ない指数関数的漸増波を用い,同時に多数の筋が刺激できるベルト型電極を使用した電気刺激治療が有用であるか検証することである。脳卒中リハビリでは運動麻痺などの機能障害の改善,および日常生活活動(ADL)の再獲得が重要であり,運動麻痺の回復に電気刺激が用いられてきた。しかし,重症脳卒中患者では,特定の筋のみの回復ではADL向上に寄与することは難しい。そのため、ベルト型電極を用いることにより電体幹・両下肢への全般的な刺激が重要である。今年度は、初回発症で指示理解が良好な脳卒中患者を対象に、ベルト型電極の実行可能性を検討した。対象者は、通常の理学療法、作業療法および必要な患者には言語聴覚療法が実施され、電気刺激は追加して実施した。電気刺激の介入期間は4週間とした。電気刺激の介入前と介入期間終了時の4週後に評価を実施した。評価項目は非麻痺側膝伸展筋力、麻痺側下肢運動機能はStroke Impairment Assessment Set(SIAS)の麻痺側運動機能の下肢項目 であるHip-flexion test、Knee-extension test、Foot-pad test の合計点(SIAS 下肢合計点)、Functional Independence Measure(FIM)とした。また、麻痺側の筋力測定が可能である場合には、麻痺側膝伸展筋力を測定した。4週間の電気刺激介入により、非麻痺側筋力、SIAS下肢合計点、FIMの改善を認め、指数関数的漸増波による電気刺激と両下肢への電気刺激が可能なベルト型電極を組み合わせた治療が脳卒中リハビリテーションの一助となる実行可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は脳卒中患者に対し、指数関数的漸増波による電気刺激と両下肢への電気刺激が可能なベルト型電極を組み合わせた治療の実行可能性が確認できた。引き続き、RCTで治療効果を確認していく。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、重症脳卒中片麻痺患者で、データ取得を進めていく。研究に必要な電極などの備品購入を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は旅費が発生しなかったため。次年度は最終年のため、データ取りまとめ、および介入に必要な電極などの消耗品の購入に使用する予定である。
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