研究課題/領域番号 |
19K19813
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
眞下 苑子 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (80824359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 傷害 / 疾病 / システム / 質問紙 / ウェブ調査 |
研究実績の概要 |
Oslo Sports Trauma Research Center(OSTRC)で開発された2種類の質問紙(OSTRC-O,OSTRC-H)を日本語に翻訳し,日本語版質問紙の作成と質問紙を用いた傷害調査システムを構築することを目的とした.2021年度は,複数のスポーツ種目のアスリートを対象として,OSTRC質問紙を用いた新たな傷害調査システムと従来の傷害調査システムとの比較を行った. OSTRC質問紙を用いた新たな傷害調査システムは,最も広義の傷害定義である「any complaint」を定義としている.一方,従来の傷害調査システムは最も狭義の定義である「time-loss」を定義にしている場合が多い.新たな傷害調査システムが傷害を抽出できる程度を検討するために,新たな傷害調査システムと従来のシステムの両方で複数のスポーツ種目のアスリートを対象として18週間の傷害調査を行った.その結果,新たな傷害調査システムは,従来のシステムに比べて3倍の傷害を抽出でき,特に障害では5倍以上の件数を抽出できることが明らかとなった. また,原版のOSTRC質問紙の内容が改訂されたため,日本語版質問紙も改訂を行った.さらに,新たな傷害調査システムを構築する上で,本邦における傷害調査システムに関するシステマティックレビューを行い,現在までにどのような傷害調査システムが本邦のスポーツ現場で用いられているのかを検討した. 今後は,青年期に着目し,日本語版質問紙を青年期のアスリートが使用できるように,青年期における新たなスポーツ傷害調査システムを構築していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,2021年度に実施する予定であった青年期のアスリートを対象とした新たなスポーツ傷害調査システムの構築が達成できなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,成人のアスリートを対象として構築した新たなスポーツ傷害調査システムを,青年期のアスリートが使用できるように,青年期のアスリートを対象とした傷害調査システムを構築していく予定である.現在も新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,制限がある中でのスポーツ活動が続いている.そのため,対象とするチーム・選手の選定は非常に困難であるが,可能な範囲で調査を進めていきたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度では,新型コロナウイルス感染症拡大の影響で,青年期のアスリートを対象とした新たなスポーツ傷害調査システムの構築を完了することができなかった.そこで,研究課題を遂行するために次年度にさらなる調査を行うため,次年度使用額が生じた. 使用計画は,調査に必要な物品費,また調査結果を学会発表や論文投稿する際の費用として使用する予定である.
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