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2019 年度 実施状況報告書

心理社会的要因からみた筋骨格系疼痛の発症メカニズムと、疼痛の地域間格差の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K19818
研究機関山形大学

研究代表者

池田 登顕  山形大学, 医学部, 助教 (20804917)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード膝痛 / 失業率 / 腰痛 / 媒介分析 / マルチレベル分析
研究実績の概要

本年度は、日本老年学的評価機構(JAGES)調査の調査票設計および調査の実施を行った。同時に、既存のデータを用いて、高齢者の膝痛と社会経済状況についての関連についても明らかにした。この研究は、我が国の30市町村の65歳以上の要介護認定を受けていない、高齢者26037名を分析の対象とした横断的研究である。過去1年間の膝痛の有訴の有無と社会経済状況(等価所得および過去の最長就労職業)の関連を多変量解析にて分析した。また、媒介分析を用いて、社会経済状況と膝痛の有訴の関連を、うつ症状がどの程度「説明」するのかについても検証した。その結果、最も低い収入を得ている群に属していた高齢者は、最も高い群と比較して、膝痛のリスクが1.22倍高い結果となった。さらに、専門職に就いていた高齢者と比較して、肉体労働職に従事していた高齢者は、1.10倍膝痛のリスクを有していた。また、媒介分析の結果、これらの社会経済状況と膝痛の関連のち、34-45%がうつ症状により説明されることが分かった。本研究は、国際誌「The Clinical Journal of Pain」にて原著論文として掲載されている。
また、国民生活基礎調査の2次利用申請も行い、都道府県単位の失業率と腰痛の関連について検証した。この研究では、国民生活基礎調査2010,13,16年のデータを用いて行った繰り返し横断調査である。18-64歳までの労働者人口に該当し、学生を除外した962,586名を分析の対象とした。国が公表している都道府県単位の完全失業率と個人の腰痛の有訴の有無の関連を多変量解析にて分析した。その結果、失業率と腰痛は有意に関連していた。本研究は、国際誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」にて原著論文として報告することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、調査を行うことができている。また、国民生活基礎調査の申請も滞りなく行うことができ、その解析も行い論文としてまとめることができているため。

今後の研究の推進方策

今後は、JAGESの調査の1次集計および2次集計を行い、膝痛や腰痛の発症のメカニズムを明らかにする研究を行う予定である。また、その研究の成果を論文化し報告する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスの影響により学会参加による情報収集ができなくなった。次年度以降の学会での本研究に関する情報収集などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Psychosocial Factors and Knee Pain Among Older People in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Takaaki、Aida Jun、Tsuboya Toru、Sugiyama Kemmyo、Kondo Katsunori、Osaka Ken
    • 雑誌名

      The Clinical Journal of Pain

      巻: 35 ページ: 983~988

    • DOI

      10.1097/ajp.0000000000000761

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Contextual Effect of Area-Level Unemployment Rate on Lower Back Pain: A Multilevel Analysis of Three Consecutive Surveys of 962,586 Workers in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Takaaki、Sugiyama Kemmyo、Aida Jun、Tsuboya Toru、Osaka Ken
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 16 ページ: 4016~4016

    • DOI

      10.3390/ijerph16204016

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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