研究課題
人工呼吸器管理中の小児患者の早期人工呼吸器離脱に向けた方策として、リハビリテーション介入が有用と考えられるが、リハビリテーション介入の有用性について、有用な評価方法は確立していない。人工呼吸器管理中の呼吸機能として、食道内圧変化を評価する方法があるが、機器が高価で広く汎用されていない。横隔膜機能を超音波検査で評価できれば、安価で侵襲なく反復することができ、実績のある食道内圧変化と比較して検証し、超音波検査の有用性を検証し、リハビリテーションによる効果を評価できるかを検証することとした。横隔膜超音波検査は汎用される超音波検査装置で、超音波検査に精通した小児科医により実施される。食道内圧測定についてはすでに上市され、PMDAの認可を受けているAVEA ベンチレーターコンプリ(アイ・エム・アイ株式会社)に付属するシステムを使用する。研究実施にあたり、茨城県立こども病院において、倫理審査を受け、時間を要したが承認を得た。使用機器について、食道内圧測定は通常診療の中ではルーチンには行っていないため、研究協力者を含めた、診療に関わる医師、看護師、臨床工学技士に改めて使用する人工呼吸器の説明会を開催し、食道内圧測定についての勉強会を行った。人工呼吸器に備え付けの装置で食道内圧の測定を行うため、人工呼吸器から測定結果を抽出するシステムも構築した。新型コロナウィルス感染症流行のため、病院間の行き来に制限ができてしまい、また、必要物品の準備に想定したよりも時間を要した。超音波検査測定について統一した方法で行えるよう手順書の作成を行い、症例登録データベースの構築を行うなど準備を整えた。
3: やや遅れている
研究代表者が年度途中で茨城県立こども病院から筑波大学附属病院に異動となり、本研究の主評価項目である横隔膜が作り出す圧力の測定は、国内で医療機器として使用認可が下りている、茨城県立こども病院にある人工呼吸器(AVEA)のような医療機器は非常に限られており、異動先では食道内圧測定ができなかった。そのため、茨城県立こども病院での研究を継続することとした。しかし、その後新型コロナウィルス感染症の流行により病院間の行き来に制限がされるようになってしまった。また、新型コロナウィルス感染症の影響により、必要物品の準備に時間を要したため、想定したとおりに進めることができていない。
データの収集の準備はできており、今後進めていく。食道内圧測定が可能な機器が新たに上市されており、研究代表者の勤務先でも購入が検討されている。正式に導入されれば、県内の小児集中治療を担っている筑波大学附属病院と茨城県立こども病院の二拠点で、食道内圧の測定が可能であり、二施設で症例蓄積を行うことを検討する。
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