虚弱(フレイル)は、75歳以上の後期・超高齢者においてよく認められる老年症候群であり、要介護状態に至る要因として虚弱、転倒・骨折などの高齢に伴う疾病が5割以上を示しているため、虚弱高齢者の身体面・精神面に対する介護予防対策が緊急課題である。しかし、現在の高齢者運動は、運動強度も強く設計されたレジスタンス・筋力強化及びバランス運動などを組み合わせた介入が多く、虚弱後期・超高齢者が実施するには負傷と転倒の危険性が高い問題点がある。それらの解決方法として、75歳以上の虚弱高齢者に適した運動を考案し、身体機能及び精神機能を維持・改善する介護予防運動プログラムが極めて必要である。したがって、本研究では、申請者らが考案・開発した新しい介護予防運動プログラムKohzuki Exercise program(KEP)を長期間介入及び実施し、虚弱後期・超高齢者の身体機能と精神機能の健康関連Quality of Life(QOL)、認知機能などへの効果を検証し、KEPを新しい介護予防運動の確立へ繋げることである。 対象者は、CHS基準に基づいてフレイルのスクリーニングを行い、運動群と対照群に分け、6カ月間KEPを実施(週3回、計72回)した。その結果、KEPの有効性(身体機能と精神機能)の分析を行った。6カ月間の実施により、KEPの有効性と虚弱後期・超高齢者の身体機能と精神機能への効果検証ができ、国際学会及び国内学会で学会発表を行った。
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