20歳から69歳を対象とし、姿勢・体型および運動機能について評価した。姿勢・体型の計測にはスパイナルマウスおよび3Dボディスキャンを使用し数値化した。運動機能の評価には体組成、下肢および体幹の筋力、柔軟性、バランス能力、超音波画像診断装置による筋厚・筋輝度・筋弾性率、歩行能力、ロコモ度が含まれた。合わせて腰痛などの運動器障害の有無やその期間・程度を自記式質問紙票により調査した。スパイナルマウスを使用して脊柱のアライメントを測定し、その加齢変化と筋特性との関連を検討したした結果、胸椎後弯角度は年齢との相関はなかったが、腰椎前弯角度および骨盤前傾角度は年齢とは負の相関があり、年齢に関わらず骨盤前傾角度には腰部の多裂筋の筋厚が関連することが明らかになった。また3Dボディスキャンを使用して殿部の形状と筋特性の関連を検討した結果、中年後期以降の年代では様々な高さにおける殿部の厚みと大殿筋の筋厚に有意な正の相関があることが明らかになった。これについては次年度学会発表を予定している。しかし、新型コロナの影響で被験者のリクルートが限られたため、運動器障害の有無と姿勢・体型および運動機能については、まだ解析に十分なn数は得られておらず、引き続きデータを蓄積している。 今年度はさらに、20歳から69歳を対象とし、運動機能によって群分けして、群ごとにセルフエクササイズを指導し、その介入効果の検討を行った。筋力やバランス能力の向上といった効果がみられているものの、これについても運動器由来の疼痛を考慮した解析ができるほどの十分なn数は得られておらず、引き続きデータを蓄積している。
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