慢性肝炎患者におけるサルコペニアおよび肝組織改善のための運動療法プログラムの確立

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K19831
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 筆保 健一 広島大学, 病院(医), 契約理学療法士 (40741301)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 慢性肝疾患 / サルコペニア / 運動療法

研究実績の概要

当該年度は慢性肝疾患患者における運動機能の調査を横断的に行った結果をまとめ、現在投稿中。
今回まとめた結果によると、慢性肝疾患を有す高齢患者において肝線維化が進展した集団では肝線維化が進展していない集団と比較して、運動機能が低下していた。なかでも歩行速度が低下した患者の割合が有意に高く、それに関連する因子としては肝線維化および下肢筋力が抽出された。肝線維化によって筋量に差を認めない結果となったが、BIA法で測定された四肢筋量は肝線維化の進展した患者では過大評価した可能性がある。また、成因により患者の体格や運動機能低下の程度が異なる可能性があることや、性別によって成因の割合が異なることが明らかとなった。
上記結果は本介入研究を行う上で対象の選定に重要である。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

慢性肝疾患患者における運動機能の調査を行い現在結果を投稿中。
予定している介入研究は新型コロナウイルスの影響もあり、まだ開始できていない。

今後の研究の推進方策

次年度中に外来通院中の対象患者に対して介入を行う。介入期間は3ヶ月を予定しており、次年度中に約30例のデータ収集を終了し解析、成果発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度は新型コロナウイルスの影響によって介入研究に大幅な遅れを生じてしまったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は今後、検査キットの購入や論文投稿に使用する。