研究課題/領域番号 |
19K19832
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入江 啓輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (50792264)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 運動イメージ / 巧緻性 / 発達性協調運動障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,手の巧緻運動障害と運動イメージ能力の関係を明らかにし,手の巧緻運動障害に対する運動イメージを用いた介入方法を検討することであった. 令和2年度は,発達性協調運動障害における不器用さと運動イメージ能力の関係を明らかにし,運動イメージを用いた介入方法を検討するために,文献レビューを行った.その結果,発達性協調運動障害の子どもは定型発達の子どもに比べて運動イメージや感覚統合に関連する脳領域の活動が低下していることが明らかになった.また,発達性協調運動障害には様々なサブタイプが存在するため,サブタイプ別に介入の有用性を検証していく必要性が示唆されたため,論文を執筆した.今後は,発達性協調運動障害の子どもを対象とした運動イメージ能力の評価および介入方法を検討していく予定である. 同時期に運動イメージ鮮明度に関する評価指標開発のため運動イメージを言語化し,K-Hcorderを用いて分析を行った.その結果,1人称イメージと3人称イメージでは被験者が意識している部位が有意に異なることが明らかになった.また,運動イメージの鮮明度と言語量には正の相関が確認された.今後は,神経生理学的な指標との相関を検討してく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は,言語化された情報をもとに運動イメージの客観的な指標を開発する予定であった.しかし,新型コロナウイルスの影響により実験予定が大幅に遅延した.そのため,文献レビューを中心に研究課題に取り組むことで対応した.今年度は,感染予防対策を十分にして実験を行う予定である.このような状況であるため,やや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,健常成人を対象に運動イメージの言語化による客観的な指標とNIRSやTMSなどの神経生理学的な指標との関連を検証する予定である.また,発達性協調運動障害の子どもを対象にサブタイプ分けを行い,言語を用いた運動イメージ能力評価の有用性を検証する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により出張や実験に制限があり,次年度使用額が生じた.今年度は,自律神経指標を評価する機器の購入や,心理実験ソフトウエアの購入などを早期に予定し,実験を計画的に進めていく予定である.
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