研究実績の概要 |
近年、反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS)を用いて、非侵襲的に脳の一部分を賦活または抑制することにより、運動麻痺の回復が促進されると報告されている。しかしその刺激パラメーターは確立されておらず、より効率の良いプロトコルの作成が必要となっている。本研究は、rTMSによる脳賦活変化を定量的に解析・評価する手法を確立することにより、効率の良いrTMSプロトコルの作成を目指す。 令和3年度までに,臨床で最も用いられている磁場強度1.5T-MRI装置を用いて運動関連領野の脳賦活変化を検出するために,健常者8名における安静時機能的MRIのデータ測定を終了した.また,本データの比較対象として,3T-MRI装置を用いて,安静時機能的MRIのデータ測定を終了した(N=10).撮影条件の検討で得られたデータの一部は、国際集会にてポスター発表を行い報告した。 また,新型コロナウイルス感染症の流行により実験施行の停止と再開の繰り返しの状況が余儀なくされたことから,新たに上肢到達運動に関わる領域を、非侵襲的脳刺激法の一つであるtDCSを用いて刺激することにより,その領域の活動の特徴について検証する実験を計画した.健常者を対象とし,tDCS刺激群と,tDCS偽刺激群に分けてランダム化比較試験を行い,到達運動の学習曲線を観察した.昨年度目標とした40名の参加者の測定が完了した.得られた結果は国際誌に掲載された.
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